二番煎じ(にばんせんじ)
「二番煎じ」とは「端的にはパクリやコピーに真似するなどの行為で、前にある物を模倣するだけの独創的なアイディアではない事」です。中国はかつてはコピー天国と呼ばれ、家電など日本製品のパクリ商品が溢れていました。現在も著作権を侵害している偽キャラクターは数多くありますが、その一方で中国ブランド家電が世界中で売れているのも事実です。皮肉な事に日本家電の「二番煎じ」だったはずなのに、今やパクリがオリジナルを凌駕するという「偽物が本物を超えた現象」なのです。従って、「二番煎じ」でも売れたり知名度が逆転をすれば、最早オリジナルには拘らないのが現代の流れなのでしょう。それでは「二番煎じ」の解説となります。
二番煎じの意味とは
「二番煎じ」の意味は以下の通りとなります。
(1)前にあったものの模倣であり、同じように真似して繰り返す事。
(2)お茶などで一度煎じたのに再度煎じる事から、繰り返し行為でありそれを批判する言葉。
(3)過去の名作などを習った模倣なので、変わり映えがなく新鮮味や面白味がない。
「二番煎じ」はお茶や薬草などを一度煎じた(煮出した)ものを再び使う事から、模倣をする行為について使われる言葉です。現代的に解釈するならパクリやコピーですが、これを丁寧でかつ尊敬を込めたり芸術作品などで著作権関連がクリアーならインスパイアやオマージュやリスペクトといった言葉となります。それでも基本的にはオリジナルが大前提として存在し、それを意図的にしろ無意識にしろ真似をしている訳で、どちらにしろオリジナルを超えるインパクトは望めないので、単なる焼き直しとして批判めいて面白味や新鮮味がないと批判される対象となります。しかし、世の中を見渡すと程度の大小はあるにしろどんな商品やアイディアなども「二番煎じ」ばかりで、逆にオリジナルを探すのが難しいほどです。例えば、新しい車が発売されるとしても外観だけでなく最新技術と謳った独創的なテクノロジーも、実は他メーカーのライバル車に似たような技術が既に導入されています。車でこのような調子なのだから、パソコンやスマホに洋服も当然で、そして音楽や映画や絵画などアート系はさらに悲惨で、特に日本の若者向けポップ・ロック系ミュージックは明らかに洋楽パクリでも「二番煎じ」と批判するのがメディアではご法度になっています。そんな状況下なので、専門家などその分野に詳しい人が「二番煎じ」と使うのは、軽々しく真似する人達への嫌味であり皮肉ですが、その一方で単に退屈で面白味がないものも多分どこかで似たようなものを見聞きしたはずとして、オリジナルや本物には劣るといったニュアンスで「二番煎じ」と使います。
二番煎じの由来
「二番煎じ」の由来は残念ながら不明で、文献としても発掘されていません。本題とはそれますが、お茶は最初に淹れた「一番煎じ」が最も美味しく、その後に淹れた「二番煎じ」は味が薄くなり美味しくありません。そんな事から真似をしても本物には劣り味が落ちるので「二番煎じ」は批判めいた物言いとなります。
二番煎じの文章・例文
例文1.日本で活躍できるアーティストは海外に出れば二番煎じだが、国内ならオリジナルのような顔で偉そうにふんぞり返っていられるのだから楽なものだ。
例文2.ゾンビ系は人気コンテンツなので、映画からドラマに漫画にゲームと二番煎じだらけで、それこそ元ネタが何かも忘れるほど巷に溢れている。
例文3.有名人のモノマネをするタレントが人気になると、今度はそのモノマネタレントの二番煎じが出てきて、さらには素人が二番煎じをユーチューブで真似をするというそれは妙な流れが完成している。
例文4.芸術作品は違うにしても、テクノロジーなどは二番煎じの方が安くて性能良い事が多く、その典型例は中国製品となる。
例文5.コンビニの大手3社を見ていると、同時期に同じような新製品を発売する事が多く、これは情報が流出しているのかそれとも談合めいたものなのか、はたまた偶然の一致なのか分からないが、どちらにしろ味は大差がなく二番煎じを論じる必要もない。
各業界での真似や模倣めいた事での「二番煎じ」を使った例文です。
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二番煎じの会話例
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あの曲聞いた? SNSで話題になっている、覆面歌手みたいなアーティストの曲。
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何か最近人気が凄いみたいだよね。
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本当に凄い曲だよ。才能が溢れ出ているね。
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でも、どうせ二番煎じでしょう。覆面歌手は昔からあるやり口だし、あの絶叫部分もよくある歌唱法で目新しさはないよ。奇をてらった1曲だけで才能あるとは思えないって言ったら、熱狂的なファンから批判されるんだろうね。
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二番煎じの類義語
「二番煎じ」の類義語には、「後追い」「物真似」「亜流」「焼き直し」などの言葉が挙げられます。
二番煎じの対義語
「二番煎じ」の対義語には、「元祖」「オリジナル」「本家」「パイオニア」「先駆者」「開拓者」「独創的」「原物」「独自性」などの言葉が挙げられます。
二番煎じまとめ
「二番煎じ」は二度目に煎じたお茶は味が落ちて美味しくない事から、前にあったものの模倣は所詮は真似の域を出ておらず面白味や新鮮さが欠けるという事です。所謂、コピーやパクリにオマージュなども「二番煎じ」とされ、音楽や絵画などの芸術系だけでなく様々な分野で「二番煎じ」は溢れています。良い商品やアイディアなどはそれだけ素晴らしい訳で、そうなると模倣をしたくなるのは自然で結果的には「二番煎じ」が大量生産され、最早何がオリジナルでどの程度の真似なのかも分からなくなるほどです。