井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)
世間知らずの人を指すとき「井の中の蛙大海を知らず」という言葉を用いるときがあります。
そもそも「どういう意味なの?」を思う方もいらっしゃるでしょう。「なぜこのように言われるようになったのか?」「なぜ蛙となったのか?」ことわざは由来の語源を知ることで、日常生活においても役立ちます。また、「この井の中の蛙大海を知らず」には続きがあるのをご存知でしたか?大人気ドラマで耳にしたこともあるフレーズかと思いますが、こちらの事柄も併せて解説していきます。
この記事の目次
井の中の蛙大海を知らずの意味とは
「井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)」は井戸の中といった狭い中しか知らない蛙は、広い大きな海(世界)を知らないといった、ものの例えです。すなわち、世間知らずだということを意味しています。その知らないということを知らない例えでもあります。
井の中の蛙大海を知らずの由来
元々は中国の荘子の書いたとされる「荘子 秋水篇」から伝わったとされています。
「狭い井の中でしか生きていない蛙が、亀に対して井戸の居心地の良さを自慢げに話して見せた。ところが亀が海の大きさや深さや距離などの話をすると蛙は驚き、言葉を失った」といった物語が、いつからか日本にも伝わりました。
しかし、この「井の中の蛙大海を知らず」には実は続きがあるのです。
いくつかのバリエーションはありますが、「されど空の深さを知る」は人気ドラマでも使用されたので記憶にも新しいでしょう。
外のことは知らなくても、中のことや目に見えるものには詳しいということを伝えたかったのでしょう。
井の中の蛙大海を知らずの文章・例文
例文1.彼の言動は井の中の蛙大海を知らずだよ
例文2.知っている知識だけをひけらかして、井の中の蛙大海を知らずになっている
例文3.こだわっている知識が偏ってしまい、井の中の蛙大海を知らずになってしまう
例文4.井の中の蛙大海を知らずの状態では誰にも共感してもらえない
例文5.井の中の蛙大海を知らずでいることに気が付かず、会社の恥である
主に世間知らずとして使われる言葉なので、いい場面では利用できないことわざです。しかしこのことわざを説いたとされる荘子も実は、「井の中の蛙大海を知らず」ではないかと言われています。
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井の中の蛙大海を知らずの会話例
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この問題についてだが、君の意見が聞きたい。
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はい、この案件について先方に聞いてみたのですが知識が偏りすぎていて、公平に評価できないのではないかと思いました。
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井の中の蛙大海を知らずってことか。それは困ったな、この案件に関してはできるだけ公平な評価が必須なのに。
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ほかの方にお願いするのが良いかと思います。
仕事において、できるだけ公平な目で見るのはとても重要だと思います。みなさんも知識をひけらかすのには気を付けたほうがいいと思います。
井の中の蛙大海を知らずの類義語
「針の穴から天を覗く」や「木を見て森を見ず」があります。由来の部分でも記載したように「夏の虫氷を笑う」といったことわざも存在します。
似た意味のことわざを知ることでより深く、意味合いを理解することができます。
井の中の蛙大海を知らずまとめ
元々は「井の中の蛙大海を知らず」だけだったことわざでしたが、いつの時代に「されど空の深さを知る」などの言葉が付け足され、ドラマの影響もあり多くの人に浸透しました。
しかし、ここで1つの疑問が生まれます。
「両生類である蛙は海水などの塩分濃度の高い場所では生息できないのでは…?」
そうです。蛙は死という選択をしてまで海に出て世界を知る必要などないのです。蛙の体質を知らずに荘子がこのことわざを作ったとするならば、まさに荘子自ら自身のことを表しているようにも思えます。
こうして別の角度から物事を見ていると、ことわざには面白い発見もありますよね。