人生朝露の如し(じんせいちょうろのごとし)
「人生朝露の如し」とは「人間の生涯は短くて儚いという喩え」です。もちろん、儚いからこそ必死になるともなりますが、やはり老いてくると儚くて空しいとなるもので、それを否定するよりも素直に受け入れて折り合いを付けるのが人生なのでしょう。それでは「人生朝露の如し」の解説となります。
この記事の目次
人生朝露の如しの意味とは
「人生朝露の如し」の意味は以下の通りとなります。
(1)人の一生は短く儚いものという喩え。
(2)朝露は太陽が出ると消えてしまう事から、転じて、人間の生涯とは脆くて儚い。
”人生”は「人がこの世を生きる」「一生」「生涯」、”朝露”は「朝に草の上にある水滴」「水蒸気が凝結したもの」「儚くて消えやすい」、”如し”は「~と同じ」「~のようだ」「例えば~のようだ」で、人の一生は葉の上の水滴のようにあっという間に消えてしまうと空しく嘆いた言葉が「人生朝露の如し」です。人生のピークを青年期とするなら10代半ばから20代後半ぐらいなので、それが過ぎると後は老いていく一方で人生とは本当に空しいものなのです。だからなのか、昔の偉人達はこのような嘆きの言葉を非常に多く生み出し、「諸行無常」「生者必滅」「朝生暮死」「人生僅わずか五十年」「邯鄲の枕」等々いくつもあります。どんなに優れた人でも反対に劣る人でも万人に共通で平等なのは、人生は空しく過ぎ去るだけで、絶対に抗う事はできないので余計にまた空しくなるのでしょう。
人生朝露の如しの由来
「人生朝露の如し」の由来は、中国前漢時代の歴史書「漢書」の「蘇武伝」となります。
人生朝露の如しの文章・例文
例文1.人生朝露の如し、我老いた身をいつ崖から投じるか常に模索し続ける渦中。
例文2.クーポン給付で巨額経費が発生するという本末転倒な出来事を目の当たりにすると、馬鹿な政治家に翻弄される国民は腹立たしさから人生朝露の如しと思うしかない。
例文3.痴呆で入院している母親に5年前に別れた妻、そして家出をした娘や半グレ見習いをやっている息子達を思うと、どんなに高級ワインを開けてフォアグラに舌鼓を打っても脳裏には人生朝露の如しが浮かぶだけだ。
例文4.刑務所の壁に向かうと、人生朝露の如しだから自由を求めて脱獄するべきと一瞬思うが、行くあてがないので悪人との共同生活を選ぶ。
例文5.人生朝露の如し、されど感覚が麻痺し眠っているだけで朝を迎え、また新たな空しい毎日が繰り返される。
希望などがない空しい日々として「人生朝露の如し」を使った例文です。
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人生朝露の如しの会話例
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じゃあ…、ハローワークに行ってくるよ。
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今日こそ仕事が決まればいいわね。
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そうなればいいけど、多分無理だろうな。
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少しは元気を出してよ。人生朝露の如しって言うけど、それでも私には期待を持たせてよ。
仕事が決まらず落ち込み気味の夫とその妻の会話です。
人生朝露の如しの類義語
「人生朝露の如し」の類義語には、「浮世は夢」「人生は風灯石火の如し」「電光朝露」「浮生は夢の如し」などの言葉が挙げられます。
人生朝露の如しの対義語
「人生朝露の如し」の対義語は、強いて挙げれば類語である「諸行無常」から「万古不易」「永久不変」「千古不易」「千古不変」となります。
人生朝露の如しまとめ
「人生朝露の如し」は早朝の葉っぱの水滴はすぐに消えてしまう事から、人生に喩えて短くてあっという間に消えて儚く空しいとなります。だから人生を必死に生きるべきとも解釈できますが、通常は素直に人生の空しさとして、事実を受け入れる言葉となります。