仁徳(じんとく)
横暴な振る舞いばかりしていると、後からとんでもないしっぺ返しが襲い掛かる事もあります。オフィスや地域のリーダーになった時、ふと頭に入れておきたいのが「仁徳」という言葉です。仁徳にはどのような意味があるのか、由来も含めてわかりやすく解説しますので、一緒に言葉の探検に出かけてみましょう。
仁徳の意味とは
仁徳【じんとく】とは、愛情あふれたおこない・または言動を示しています。慈しむ気持ちと思いやりを忘れずに、丁寧に接することを表しています。
仁徳の由来
古事記や日本書紀にも登場するのが、仁徳天皇です。仁徳天皇はとても慎み深い天皇として有名で、広く民を想う政治を執りおこなったと言われています。ある日用事で外出した仁徳天皇は、火の気のない民衆の暮らしを見て驚きます。困っている民を救ってあげたいと、税を見直し民衆が豊かな暮らしを取り戻せるように努力しました。このようなエピソードが転じて、思いやり溢れる行動を「仁徳」と言うようになったそうです。
仁徳の文章・例文
例文1.ずい分乱暴な物言いね。少しは仁徳の気持ちを持って。
例文2.新しい市長さんは、稀に見る仁徳な人物だね。
例文3.仁徳な性格が評判を呼んで、知事選に推薦された。
例文4.我が校のモットーは、慈悲と仁徳です。
例文5.苦しむ人を見て、仁徳の志を思い出した。
採算性を重んじると、つい仁徳の志を置き去りにしてしまいます。組織のトップに立つ人間であれば、どんな時も仁徳を忘れない事が大切なのかもしれません。
仁徳の会話例
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歴史漫画を読んでいるの?熱心だね。
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昔の君主は、立派だな…と思ってさ。
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現代と違って、仁徳な人が多いよね。
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そう。自分はさておき、人の為に尽くせるのはさすがだね。
とある休日の日、リビングで寛いでいる父と息子。昔の君主について、感想を述べています。仁徳の志を忘れない事は、今も昔も変わらぬリーダーのあるべき姿なのかもしれません。
仁徳の類義語
仁徳の似た言葉として、「寛容」「人徳」「美徳」などがあります。人として持っておきたい、心の格言であり、高い人間性を表す言葉と言えますね。
仁徳まとめ
AI時代がやって来て、何でも「合理化」が求められる社会。生き急いでいる時代だからこそ大切にしたいのが「仁徳」の教えです。思いやりと慈しみの気持ちを忘れずにいると、節度ある組織や集団をつくることができそうです。