仁義を切る(じんぎをきる)
「仁義を切る」とは「ヤクザなど裏社会とサラリーマンなど表社会でも使われる表現で、挨拶をしたり業界ルールを遵守する事」です。ヤクザとは礼儀や面子を大事にしますが、これは一般人でも実は同じで特に礼儀に関しては社会に出ると挨拶・言動・態度などを強く意識するものです。そんな事からビジネス現場でも使われる事が多い「仁義を切る」の解説となります。
仁義を切るの意味とは
「仁義を切る」の意味は以下の通りとなります。
(1)ヤクザ・ばくち打ち・露天商などの専門用語で、初めて接する際にきちんと挨拶をして礼儀を通す事。また、独特のルールを守り尊重するや裏切らない、筋を通すといった意味もある。
(2)ビジネス用語として、仕事上の挨拶回りや業界ルールを守る等々の事。
”仁義”は「仁と義」「儒教道徳の根本理念」「守るべき道筋」「礼儀上の務め」「ヤクザやばくち打ちの初対面での挨拶」で、初めての相手に対して失礼がないように挨拶を交わすのが「仁義を切る」です。これが前提としても意味ですが、そこから文字通りに一般的にはヤクザ・的屋・露天商・ばくち打ちといったグレーな業界や裏社会・アウトロー系の専門用語なのですが、表社会のビジネス現場でも用いる場合が多々あります。特に建設や不動産や飲食、或いは昔ながらの仕来りやルールを重んじる業界では失礼がないようにと根回しをしたり挨拶をするなど気配り・作法を守るといった意味合いで「仁義を切る」と表現します。また職場内でも他部署の上司に失礼がないようにと対応する事など、実に多岐に渡って使用される傾向があります。それでも基本は男性が用いるというか好む表現なので、女性上司なら言い回しを変えて「失礼がないように」「ルールを守って」といった形になりますが、ニュアンスとしては「仁義を切る」と言っているのと同じになります。要するにヤクザやばくち打ちなど裏社会とサラリーマンなど表社会も、そこでのルールを守ったり失礼がないように対応する点はまったく同じであり、根本には儒教や仏教の礼儀を尽くすという日本文化ならではの思想・信条があるので、「仁義を切る」のが大事にされているのでしょう。
仁義を切るの由来
「仁義を切る」の由来は時代を遡ると古代中国・戦国時代の思想家・孟子の教えとなりますが、その後近代日本では鉱山労働者の現場用語という説もあり、それが土方なども使い始めヤクザ業界に広がり現在に至っています。
仁義を切るの文章・例文
例文1.社会の常識を守り、相手に対して仁義を切る事を何よりも重んじる部長の息子が例の寿司テロ犯だと知ってしまい、何と声をかけるべきなのか同僚一同が悩んでいる。
例文2.ヤクザらしき男から「仁義を切れ」と脅され、泣く泣くぼったくりバーに30万円も支払ってしまった。
例文3.新しい配属先でまず最初にやるのは仁義を切る挨拶回りだが、正直これほど時代錯誤でバカらしい事もない。
例文4.日本人はメンツを守るや仁義を切るを異様に大事にした反動か、今の若い連中はアニメやゲームが大好きになってしまい無気力にコンビニ飯を漁っては明日世界が崩壊する事を切に願っている。
例文5.部長は「なぜ仁義を切らなかったんだ」と厳しく俺に説教した後、慌てたように賄賂が入った和菓子を持って大手建設会社に詫びを入れに向かった。
「仁義を切る」を使った例文となります。
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仁義を切るの会話例
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じゃあ、そろそろ行こうか?
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引っ越し初日から面倒だけど、これもご近所トラブルを無くす秘訣だからね。
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こういうのも一応は、仁義を切るって言うんだろ。近所に手土産を持って挨拶回りをしていくって、いつになったら無くなるのかね。
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ぶつぶつ文句を言わないで、ちゃちゃっと終わらせましょう。
マンションに引っ越してきた夫婦が同じフロアに挨拶回りに訪れるという内容です。
仁義を切るの類義語
「仁義を切る」の類義語には「根回し」「挨拶」「顔見世」「礼を尽くす」「礼儀を守る」「敬意」「面子を立てる」などの言葉が挙げられます。
仁義を切るの対義語
「仁義を切る」の対義語には「無礼」「非礼」「無作法」「失礼」「生意気」「横柄」「態度が悪い」「感じが悪い」などの言葉が挙げられます。
仁義を切るまとめ
挨拶をする、常識やルールを守るといった意味になるのが「仁義を切る」です。”仁義”はヤクザなどを連想しますが、「仁義を切る」となると裏社会だけでなくビジネス用語として使われる事が多い表現となり、業界ルールを守ったり失礼がないように対応するといったニュアンスとなります。