仄聞(そくぶん)
うわさというのは時に根拠がない中で尾ひれがついて広まっていきます。うかつに信じるのは危ないもの。一番いいのは本人に聞いてみることですが、「うわさに聞いたんだけどさ」というとなんだか盗み聞きしたようで、自分も相手もばつが悪くなってしまいます。そういう時には、少し難しい言葉で「仄聞したところ・・・」と言ってみましょう。実際には話し言葉ではあまり使わない言葉ですが、「うわさ」に関連して使える熟語です。
それでは仄聞について、読み方や意味を見ていきましょう。
仄聞の意味とは
仄聞とは「そくぶん」と読みます。側聞と書くこともありますが、どちらも同じ意味です。
仄聞とは「そのことについて少し聞く、人づてに聞く、うわさに聞く」という意味。まさに「うわさに聞く」と同じ使い方ができます。
「仄」は「ほのか、ほんのわずかしか現れない様子」という意味。「聞」は「聞く」です。うわさはうわさでも、それすらもわずかしか聞いていないニュアンスになりますね。「ちょっと情報が入ってくる」「意図せず情報を知った」というような意味合いです。書き言葉で使うことが多いかもしれません。
仄聞の由来
仄聞と側聞はどちらが由来かはわかりませんが、両方合わせて見ると、より詳しく意味が分かります。「側」には「がわ、そば、わき、ほのか」という意味があり、「側でほんの少し聞く」というような意味合いになるでしょう。
仄聞の文章・例文
例文1.仄聞したところ、不正が行われていたそうだ
例文2.仄聞したに過ぎない情報だ
例文3.そんなことはなかったと仄聞したのですが・・・
例文4.仄聞から事実を導き出すのはよくない
例文5.仄聞したのだが、試験に受かったそうじゃないか
例文のように、「仄聞したところ」というような使い方もできます。
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仄聞の会話例
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仄聞したところ、君はYouTuberをやっているそうじゃないか。
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ふーん。誰に聞いたの?
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友人が君らしき声のYouTuberを聞いたと言っていてね。もしかして、聞き間違いかい?
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まあ、その噂は本当よ。去年から始めてね。そこそこ広まってきたから、それを見たんでしょうね。
上記のやり取りでは、YouTuberデビューした友人に真偽を確かめています。
「うわさ」という言葉は使い方によっては人聞きが悪いイメージを与えます。「仄聞したところ・・・」というと、そんなイメージも和らぐかもしれません。ただし、最近の人は仄聞という言葉自体知らないことが多いでしょうね。
仄聞の類義語
仄聞の類義語ですが、「うわさ」はもちろん、「小耳に挟む」という言い方もできます。あるいは「また聞き」「口コミ」なども近い意味合いを持ちます。
仄聞まとめ
仄聞について見てきました。なかなか話し言葉では聞かない言葉なので、日常的に使うことはあまりないかもしれません。