仏作って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)
「仏作って魂入れず」とは「仏像作りで最も大事な魂入れを忘れて台無しにした事から、大事な事を忘れて失敗したりこれまでの努力が無駄になる喩え」です。成長とは失敗を繰り返すものなので、誰しも一度や二度はとんでもないミスを犯した事があると思います。それは仏像作りを任された優秀な僧ですら魂入れを忘れるほどなのですから、我々凡人は失敗を糧に日々頑張るしかありませんね。
この記事の目次
仏作って魂入れずの意味とは
「仏作って魂入れず」の意味は以下の通りとなります。
(1)仏像を作っても最後の魂を入れ忘れた事から、物事が成就目前で肝となる部分が抜けている喩え。
(2)物事を殆ど仕上げたり完成しているにも関わらず大事な部分が未完や失敗した事から、これまでの努力が無駄に終わったり最後の詰めが甘い事。
(3)「仏造って魂入れず」も同義。
「仏作って魂入れず」は文字通りに仏教から派生した諺で、現代はビジネス現場などでも失敗をしない教訓として用いられる事が多い表現です。仏教での仏像作りとはどんなに集中して細部を丁寧に仕上げても、最後に魂を宿らせる行為が最も大事とされ、逆に言うならそれをしないと徒の置物に過ぎないのです。ですから、魂入れを忘れた仏像は無価値や失敗作として扱い、他の物事でも大事な部分を忘れた喩えで「仏作って魂入れず」となります。よって、単なる失敗で用いるというよりも、特に最後の大事な部分でミスを犯したり、それによって全てが台無しになった際に使うのが相応しいです。
仏作って魂入れずの由来
「仏作って魂入れず」は仏教を由来とする諺ですが、具体的にいつ頃誕生したのかなどは分かっていません。文献としては近代日本を代表する小説家・夏目漱石の著書「吾輩は猫である」などに文言が記されています。
仏作って魂入れずの文章・例文
例文1.あれだけ仏作って魂入れずに注意しろと助言を受けたのにすっかり忘れ、また先輩を呆れさせてしまった。
例文2.最高のゲーム機であるプレステ5はかつてどの店にも並んでおらず、やっと販売されていても転売屋が不当に吊り上げた価格で並び、ゲーム機の電源を入れず遊ばれずに投資対象となってもゲーム会社は仏作って魂入れずと認めず放置していた。
例文3.独身者は過剰に結婚する事を夢見ているが現実としては結婚生活を維持するのが大変という事実があり、それを見誤ると仏作って魂入れずになるから気を付けるべきだ。
例文4.仏作って魂入れず、あれだけ銀行ですら信用せずにお金だけ執着した結果、自宅のタンス貯金を強盗集団に奪われては本末転倒だ。
例文5.コロナ禍で不具合ばかり続出した接触確認アプリこそまさに仏作って魂入れずで、高学歴の役人はテスト成績と媚び諂う以外は何も知らない無能集団と率先して世に知らしめた。
「仏作って魂入れず」を使った例文となります。
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仏作って魂入れずの会話例
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どう? 仕事は明日までに終わりそう。
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ギリギリってところですね。もし、時間が空いているなら少し手伝ってくれませんか?
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最初からそのつもりだよ。二人でやれば仏作って魂入れずといった初歩的なミスもならないだろうしね。
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本当に助かります。
仕事が遅れている後輩を手伝う先輩という内容です。
仏作って魂入れずの類義語
「仏作って魂入れず」の類義語には「画竜点睛を欠く」「仏造って眼(まなこ)を入れず」「不完全」「不備」「不全」「不十分」などの言葉が挙げられます。
仏作って魂入れずの対義語
「仏作って魂入れず」の対義語は「入眼」「完全」「成功」「大成」「成就」「仕上げ」「貫徹」「遂行」などの言葉が挙げられます。
仏作って魂入れずまとめ
仏像作りの最終作業である魂入れを忘れた事から、完成したつもりでも最も大事な事を忘れて台無しにするのが「仏作って魂入れず」です。現代では物事において何が一番大事なのかと注意を促す目的から、ビジネス現場でも新人などに使われる喩えとしても使用されています。