以心伝心(いしんでんしん)
ふとハサミが欲しいと思うと、何かを言う前にハサミを取り出してくれる。なんとなく相手の動作で欲しいものがわかるので、先に取って渡す。そんな友人や恋人がいるという人も少なからず存在します。お互いに言葉に出す前に心が通じあえる、そんな関係を指す言葉が以心伝心です。「察しろ」という人もいますが、あくまで以心伝心とはそのような言葉も不必要な関係なのです。ここではそんな「以心伝心」の意味や由来についてを解説します。
以心伝心の意味とは
「以心伝心」(いしんでんしん)とは、言葉を使わずともお互いの心と心で通じ合うこと、そして言葉を使わなくとも互いにわかることをいいます。主に友人間や家族間で、特に仲が良く、意思疎通を必要としない程の仲や関係を表す場合に使う言葉です。
以心伝心の由来
元は禅宗の言葉で、言葉や文字で表現されない仏教の真髄を師から弟子の心へと、心で伝えることを指した言葉でした。読み仮名としては「心を以て心に伝う」と読みます。仏教の心を伝えることができるのは心だけであり、師が弟子に対して向ける心こそが仏法の心である、こうして仏教の真髄を理解できるようになるとしています。
以心伝心の文章・例文
例文1.親とは以心伝心、という訳にはいかない
例文2.以心伝心できる仲の親友がいる
例文3.あの2人は以心伝心だ
例文4.以心伝心で気持ちが伝われば楽なのに
例文5.以心伝心と言えるほどにわかり合っている夫婦だね。
何も言わずに相手の心を汲み取れる関係を指す場合が多くあります。主に親友や夫婦関係で使われている言葉です。必然的に自分に対して使うよりは、相手や第三者に対して使うことになります。また多くの場合は仲がいいことを褒める為に使う為、悪い意味で使われることはありません。
以心伝心の類義語
類義語としては「阿吽の呼吸」や「シンクロ」「つうと言えばかあ」といった言葉があります。お互いに思っていることを口に出さなくても通じあっているという意味の言葉は多く、四文字熟語以外にも様々な種類の言葉を用いられています。「絶妙なコンビネーション」や「ツーカー」という言葉の方が馴染みが深いという人もいるのではないでしょうか。
以心伝心まとめ
以心伝心は、長年の付き合いの中で生まれるものです。そのため付き合いが必然的に長くなる友人や家族にほとんど限定されてしまいます。言い換えればそこまでの仲になるために、数多くの経験や争いを繰り返しており、簡単になれる関係というものではありません。以心伝心とは信頼できる相手と、信頼されるだけの誠実さが作り出す関係性なのです。