伊達の薄着(だてのうすぎ)
日本語には「伊達」が付く言葉がいくつもあります。例えば「伊達メガネ」は、近年若い人達を中心に流行したファッション用語の一つですが、今回ご紹介する「伊達の薄着」という言葉もファッションに関わる言葉の一つです。では一体どのような意味あり、どのような場面で使われる言葉なのでしょうか。由来や類義語も併せてご紹介します。
伊達の薄着の意味とは
「伊達の薄着」は、着膨れして格好が悪くなるのを嫌がり、寒い時でも我慢して薄着をすること言います。
伊達の薄着の由来
もともと「伊達」という言葉には、粋(いき)に見せようとすること・派手なふるまいや態度・洒落(しゃれ)ていること、などといった意味があります。この言葉の由来には諸説あり、人目に付くようにという意味での「立つ」から来ているという説や、伊達政宗の服装が派手であったことから来ているという説もあります。
伊達の薄着の文章・例文
例文1.伊達の薄着というもので、女子高生達はたとえ大雪でも構わずミニスカートを履いている
例文2.風邪を引いた理由を聞かれたが、伊達の薄着をしていたからだとは恥ずかしくて言えない
例文3.年頃の妹は、友達に褒められたいが為に伊達の薄着で出かけていった
例文4.せっかくの合コンに行くのにコートで着膨れしたくないので、伊達の薄着でふんわりとしたセーターを羽織って出かけた
例文5.伊達の薄着で風邪を引いてしまい、きちんと防寒するべきだったと反省した
よく人間は見栄を張る生き物だと言われますが、ファッションに関しても同じで、実用性よりも見た目を優先してしまう人も多いようです。
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伊達の薄着の会話例
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今日は雪なのに、そんなに薄着で寒くないの?コートとか着ればいいのに。
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コートなんて着たら着膨れするし、せっかくの可愛いセーターも隠れちゃうじゃない。おしゃれは我慢て言うでしょ!
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そうだけど・・・伊達の薄着でやせ我慢してるんだね。
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おしゃれの為だからしょうがないの。・・・でも、正直やっぱり寒いな。
本当は寒いのにおしゃれの為にやせ我慢をしているという会話です。このような会話の時に「伊達の薄着」を使う事ができます。
伊達の薄着の類義語
類義語には「伊達の素足」「伊達の素袷」などが挙げられます。「伊達の素足」には、真冬に足袋(たび)を履かずに素足で雪駄を履いているのは伊達だ(粋だ)と褒められたという意味があります。しかし、この言葉を使った「伊達の素足も無いから起こる」という言葉もあり、これは「粋だと言われる伊達の素足は、実は足袋を買うお金がないだけである」という意から、どうしようもなくて我慢していることのたとえとして使われます。
英語では「Pride feels no cold.(得意の寒さ知らず)」が類義語となります。
伊達の薄着まとめ
いかがでしたか?体型をスリムに見せたいときや、粋なお洒落さをアピールしたいが為に、あえて寒いのを我慢して薄着することを言います。基本的には、冬などの寒い日にそれに似つかわしくないような薄着でいる場合に使う事ができるので、ぜひ覚えて冬の時期の会話などで活用してみてください。