会心(かいしん)
「会心」とは「物事が予想通りに進み非常に満足している状態」です。「あなたは毎日に満足していますか?」と問われると、なかなか返す言葉が見つかりませんよね。なぜなら殆どの人にとって日常とは大きな不満も喜びもなく、ただ漠然と流れてしまうからです。それが幸せと満足しなければいけないのでしょうが、人は慣れると飽きてしまうのです。だから心底からの「会心」とはどのようなものなのか、一度ぐらいは体感してみたいものです。
会心の意味とは
「会心」の意味は以下の通りとなります。
(1)心に叶う。期待通りに物事が進み満足する。
(2)納得する。会得する。
(3)自分の気持ちや考えと一致したので心が満ち足りる状態になる事。
”会”は「人々が集まる」「出会う」「巡り合う」「叶う」「合わせる」「悟る」、”心”は「心臓」「精神」「気持ち」「大事な部分」で、心から思った事がその通りになったので満足しているのが「会心」です。これは自分の願いや気持ちが望み通りになったので、大変満足しています。ですから同義である「満足」としても問題ありませんが、微妙なニュアンスとして「会心」は願いが叶い心が満ち足りていて、「満足」は心というよりは欲求が満たされた状態となります。もちろん実際に使う場合はそこまで気にする必要はないでしょうし、心が満たされるのも欲求であるのに違いがないので、明確な定義に沿った使い分けではなくそれぞれが独自解釈によって成り立っていると言っても過言ではありません。また諺では強力な攻撃「会心の一撃」、自然な笑顔「会心の笑み」などがあります。ちなみに「回信」は手紙の返事、「回心」はキリスト教の心の転換、「回診」は医師が患者を診察する、「快心」は気持ちが晴れるとなります。
会心の由来
「会心」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代の漢詩集「南海先生後集」などに文言が記されています。
会心の文章・例文
例文1.入院して元気がなかった彼女にやっと会心の笑みが出て、心底安堵した。
例文2.地元に怪しい宗教施設が誕生するとなり、近所の住民達は一致団結して反対したが町長だけはなぜか声高に賛成を唱え、結局は建物が完成すると白装束の衣装の男達と何度も握手をして会心の喜びを見せた。
例文3.日曜劇場はどんどんスケールが大きくなるが、その割には車はいつも決まったスポンサー様のものだし、役者陣はどの作品でも髪型も一緒のセリフ言い回しまで同じでデジャブ感に溢れ、おまけに裏切りと騙しばかりなので善人ほど最後は何かあるとバレバレなので、どの作品にも厳しくなって会心の作品だとは到底思えなくなってしまった。
例文4.俺も鉄オタになってカメラも持たずに連中が多く集う場所に出向いて、大声で騒ぎだけ起こす役目を演じようと思ったが、それではJR職員にここぞとばかりの会心の一撃を食らわす本物とは大違いなので断念した。
例文5.結局のところ高校卒業と同時に進学で東京に行けなかった者は人生の負けが確定し、それを覆して田舎流で喜びを見出すには男は中古の型落ち大型車を乗り回し、女は早く結婚して子供を作るぐらいしかなく、東京人がどんなに馬鹿にしても人生の頂点へ君臨したと会心の涙を零すほどのステータスなのだ。
「会心」を使った例文となります。
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会心の会話例
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どうしたの? そんなに会心の笑顔を見せて。
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え、やっぱり分かっちゃう?
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そのニヤついた顔を見れば一目瞭然だって。
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実はね退職が決まったの。こんなブラック会社、辞めたくて仕方がなかったから。あー、これで半年以上はニートを続けるわ。
仕事の退職が決まった女性が満面の笑顔を見せるという内容です。
会心の類義語
「会心」の類義語には「本望」「留飲」「満足」「喜び」「サティスファクション」などの言葉が挙げられます。
会心の対義語
「会心」の対義語には「痛恨」「痛恨の一撃」「痛手」「生憎」「無念」「残念」「遺憾」「心残り」などの言葉が挙げられます。
会心まとめ
願い事などが思い通りにいって満足したり、納得するのが「会心」です。ですから事前の予想通りに物事が上手くいき、不平不満などは全くない状態です。本来ならそんな状況などは滅多になく何かしらの欠点から不満があるものですが、ある意味で完璧なので心が満たされ「会心」となります。