侃々諤々(かんかんがくがく)
ビジネス系のサイトを見ていて、思わず「この表現は何なのだろう」と首をかしげたことはありませんか。侃々諤々も分かりにくい言葉のひとつ。読み方は「かんかんがくがく」です。今さら尋ねづらい…と分からないままにしがちな語彙ですが、大人の教養としては読めないのは困る所。今回は読みづらく理解しづらい侃々諤々の、正しい使い方や意味についてもわかりやすく説明しますので、しっかりと理解しておきましょう。
侃々諤々の意味とは
侃々諤々の意味とは、間違ってはいないと強く思うことを、大っぴらに主張する様子をあらわしています。
どんなに周囲から反対されようとも、自分の信念を曲げたくないと感じるときに、よく使われる言葉です。また侃々諤々には、賛成派と反対派の意見が激しくぶつかり合う様子の例えとして、使われるケースもあります。議論が深まるときに揶揄として使われるフレーズのため、覚えておくとよいでしょう。
侃々諤々の由来
侃々諤々の由来として知っておきたいのが「論語」と「史記」の一説です。どちらも中国の有名な書物のひとつであり、侃々諤々の「侃々」は論語に「諤々」は史記に記載されています。どちらも自分の意思を貫きとおすことの大切さを説いたものですが、後世になってふたつの所見がまとめられ侃々諤々につながったのではないか…と囁かれています。
侃々諤々は、国会の論争などでもよく使われる言葉です。立場の違う議員たちの激しい攻防戦をたとえる表現として「侃々諤々」が根付いたという説もあります。
侃々諤々の文章・例文
例文1.臨時国会では、侃々諤々な議論がつづいています
例文2.反対意見があったら遠慮せず、侃々諤々と対応してください
例文3.次期の委員長をめぐって、侃々諤々な論争が繰り広げられました
例文4.風とおしの良い夫婦関係を築くためには、ときには侃々諤々を意識することが大切です
例文5.あの人はまさに侃々諤々、歯に衣着せぬ人です
侃々諤々には激しく自分の主張をアピールする、意見を戦わせる意味があります。穏便をモットーとする日本社会ですが、ときには自分の意見を披露することも必要なのかもしれません。
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侃侃諤諤の会話例
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今日も会議が長引いた
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結局企画をやるかどうか決まりませんでしたね
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まぁ、意見が見事に半分に割れてて、それぞれが侃侃諤諤な意見を述べてたら決まらないよなぁ
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私としてはやりたい企画なので譲りたくないですね
どちらかに揺れ動くことなく固い意志で討論をすると全く話が進まないなんてことはよくある話です。
侃々諤々の類義語
侃々諤々の類義語として「談論風発」「ディベート」「舌戦」「討論」…などのフレーズがあります。似た意味の「喧々諤々」にはやかましい・うるさい議論・意味のない討論といったマイナスの意味も含まれるため、使用には注意が必要です。
侃々諤々まとめ
激しさを増す国会論争を揶揄するときに、新聞などで使われることが多いのが侃々諤々という難易度の高い言葉です。侃々諤々には周囲に臆することなく、正しいと思っている論理をまっこうから主張する…という意味合いがあります。また火花を散らすような激しいディベートが、繰り広げられる様相もあらわしています。
諸外国と比べて自分の意見を主張することを、とみに苦手とする日本社会。ときには自分のカラを打ち破り「正しく戦うこと」も、これからのグローバル社会において求められる大切なスキルなのかもしれません。