俄然(がぜん)
「俄然」とは「物事が急に変化する『突然』や『にわかに』などの意味を持つ言葉」です。日本語の大きな特徴として、同じような意味を持つ言葉が非常に多いところがあります。本来なら精々数種類ぐらいで事足りるのに10〜20種類ぐらいが平気にあり、かなりやっかいで初めて覚える外国人としては高いハードルになっています。「俄然」も「突然」「急に」などの意味を持ち、明確な定義などはありませんが人によっては状況に応じて好みの方を使い分けています。
俄然の意味とは
「俄然」の意味は以下の通りとなります。
(1)急に変化が現れたり動作がする事。急に状況が変わる。
(2)出し抜け。急に。突然。にわかに。
(3)動作や状態を強調するのに用いた昭和初期の流行語。
「俄然」は突然状況が生じたり大きく変わった場合などに用いる表現で、主な意味は「急に」「突然」「にわかに」「いきなり」などとなります。ですから「急な変化」を強調するように「俄然」として、他の言葉よりも珍しさや発音などもあって印象に残るところがあります。その最たる例として、「ふいにやる気が出た」とするのを「突然やる気が出た」でも良いですが、「俄然やる気が出た」とした方が相手に好印象を与える事もあります。もちろん些細な変化として気にしない人もいるので、単なるニュアンス違いと感じる部分もあります。その一方では、「俄然」は本来は誤った意味である「とても」や「断然」としても広く浸透していて、いずれはこの意味も含まれる言葉になっていくでしょう。使い方としては「俄然色めき立つ」や「俄然注目を集める」などが有名ですが、他にも「俄然頭角を現す」といった形もあります。
俄然の由来
「俄然」は古代中国を発祥とする言葉で、文献としては明治時代の冊子本「近世紀聞」などに文言が記されています。
俄然の文章・例文
例文1.電車内で彼は俄然張り切って「痴漢だー!」と叫び、手に持ったスマホで撮影を始めた。
例文2.昨日は暑かったのに、今日は俄然寒くて驚いた。
例文3.まるで俄然の事で頭が回らないが、どうやら警察の留置所に拘束されて数時間が経過したようだ。
例文4.仕事中に電話が入り弟の手術が上手くいったと聞かされ、俄然ポロっと涙が零れてトイレに駆け込んだ。
例文5.マラソンには全く興味がなかったが、健康の為にと少しだけ走り始めたらそれが心に火を点けたように俄然興味が出てしまい、今や毎日アマゾンで関連する商品を見ては何から買うか迷っている。
「俄然」を使った例文となります。
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俄然の会話例
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渋谷のハロウィン、今年はどうする?
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それは行くに決まっているでしょう!
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えっ、本当に。今年は集まる人も少なそうだし、盛り上がらないんじゃない。
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それなら、俄然やる気が出て集まる真の変わり者が多いじゃない。まるで私達のようにね。
渋谷のハロウィンに参加するかどうかの会話内容です。
俄然の類義語
「俄然」の類義語には「遂に」「急に」「不図」「不意」「行き成り」「突如」「忽然」「前兆もなく」「電撃的」などの言葉が挙げられます。
俄然の対義語
「俄然」の対義語には「前兆」「予兆」「依然」「先ぶれ」「兆し」「兆候」などの言葉が挙げられます。
俄然まとめ
突然物事が起こったり、急激に状況が変わるのが「俄然」です。「突然」などの類義語として状況に応じて使い分けていますが、その多くは「突然」などよりも強調させたくて「俄然」を使う傾向があります。また、「俄然注目を集める」や「俄然頭角を現す」のように言葉の響きを好んで使う人も多いようです。