借りてきた猫(かりてきたねこ)
よく「子どもが楽しみにしていたイベントに来たのに全然楽しそうじゃなくて、まるで借りて来た猫のようだった。」なんて聞く事があります。他の場面でも日常会話のなかで使う事が多いことわざですが、本当に猫の習性に関係する言葉なんです。ことわざの意味や由来、使い方などの解説をします。
借りてきた猫の意味
借りてきた猫は、普段とは違って大人しい様や、いつもより静かな様子の例えとして使われることわざ(慣用表現)です。普段と違い、改まったりかしこまったりしている様に対しても使用します。
借りてきた猫の由来
猫は環境の変化を嫌う動物で、自分のなわばり以外の場所では不安や緊張を感じておとなしいという性質があります。飛鳥時代や奈良時代に貴重品や経典が船で運ばれてくるのですが、ネズミの被害が多いため猫を船に乗せてネズミの駆除をしていました。江戸時代初期は猫が貴重な存在で、ネズミの被害に悩む家庭が「猫を貸してくれないか?」と依頼することも多かったのですが、「借りてきた猫」は肝心のネズミ捕りの仕事もせずにまったくおとなしかった。というエピソードからことわざとして定着した由来と言われています。
借りてきた猫の文章・例文
例文1.人見知りをしてしまい新しい職場では借りてきた猫のようになってしまう
例文2.普段騒がしい彼も上司がいるところでは借りてきた猫みたいに静かになる
例文3.いつもはやんちゃな子どもが親戚の集まりでは借りてきた猫のように大人しい
例文4.姉は好きな人の前だと緊張して借りてきたの猫みたいになる
例文5.慣れない場所では借りて来た猫のように静かに様子を窺っている
このように普段と違う様子を表すときに用います。
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借りてきた猫の会話例
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昨日、先月他部署に移動した同期の人を社内で見かけたんだ。
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前に話していた人ですか?
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そう。遠かったから話せていないんだけどね。
よく喋る人だったのにまるで借りてきた猫のように静かだったよ。 -
きっと新しい環境になって緊張しているんですね。
緊張や不安から静かになってしまう人はかなり多いのではないでしょうか。
借りてきた猫の類義語
借りてきた猫の似た言葉として、「内弁慶」があげられます。これも家の中では威張っているが外に出ると大人しくなるという意味があります。
借りてきた猫まとめ
慣れない場所に行くと不安や緊張からつい様子を見てばかりいて大人しくなってしまうことはよくあると思います。初めは難しいですが、慣れていけば我が家のようにのびのびと過ごせるようになるかもしれませんね。