僭越(せんえつ)
大人になると取引先との会話や宴会の席で、聞きなれない言葉を耳にすることがあります。僭越というキーワードも、何回で間違えやすい言葉のひとつです。改まった席で恥をかかないように「僭越」という言葉の正しい意味を一緒にレッスンしていきましょう。
僭越の意味とは
僭越という言葉には、身分を超えて・立場を超えてという意味があります。僭越は単独で使われることは少なく「僭越ながら…」とひと言断って使われることが多くなっています。僭越ながら…というと、恐縮ですが・差し出がましい申し出ですが…という語彙になります。みずからの立場や権限を遜って相手に伝えるときの、キーワードとなります。
僭越の由来
僭越の由来は、漢字をチェックしてみるとよく分かります。僭越の僭の字は驕り高ぶるという意味があり、越の字には超えるという意味があります。これらの言葉を組み合わせると、自分の身分を超えて偉そうなふるまいをおこなうこと…という意味あいになります。僭越は日本で生まれた言葉、奥ゆかしい日本人らしさを如実にあらわす素敵な言葉です。
僭越の文章・例文
例文1.僭越ながら本日の議長を務めさせていただきます
例文2.僭越ながら、社長とご一緒させていただきます
例文3.課長の代わりに僭越ながら、私が説明させていただきます
例文4.僭越ではございますが、不明点を洗い出しさせていただきました
例文5.僭越ながら当社の意見を述べさせていただきます
僭越という意味には、自分を遜る表現が込められています。ミーティングや電話の席でよく使われる言葉ですが、使いすぎるとかえって違和感があるので気を付けましょう。
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僭越の会話例
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僭越ではございますが、今回のプロジェクトについて私の意見をお伝えしてもよろしいでしょうか。
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僭越なんてとんでもない。この業界に大変お詳しいと伺っておりますので、よろしくお願いいたします。
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私は学者なので本来このようなプロジェクト案に意見するなど僭越だと思うのですが、この分野の発展の為にも成功させたいと思っております。
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専門家の方のご意見は大変参考になるので、是非ご遠慮なくご教授頂けると幸いです。
謙虚な気持ちを表現するので、明らかに自分が一番上の立場である場合は適当な言葉ではありません。
挨拶などで聞く機会の多い言葉ですが、それに限ってしか使えないことはないので是非別のシーンでも使ってみてください。
僭越の類義語
僭越の類義語として出しゃばる・生意気・おこがましいなどの言葉があります。僭越ですが…の類義語は「恐縮ですが」「恐れ入りますが」という謙遜の意味になります。
僭越まとめ
宴席やスピーチの席でよく耳にするのが僭越という言葉です。僭越というキーワードには、日本人らしい相手を気遣う思いが込められています。僭越ですが…という温かい言葉をワンクッション挟むことによって、次に発するコメントをより丸く・柔和なニュアンスに見せることもできます。
色々なシーンで使うことができる僭越というビジネス語は便利な反面、たくさん使いすぎるとかえって相手にとって失礼にあたる…という注意点もあります。ここぞという時に「僭越ですが…」という言葉を伝えることも、社会人として重要なマナーです。