先陣を切る(せんじんをきる)
「先陣を切る」とは「全体を引っ張ったり最初に切り込むなど勇気ある行動を称える言葉」です。どんな事でも一番最初に始めるのは勇気が必要ですが、それでも皆の為に役立てばと真っ先に行動するのです。その背中を見せる事で仲間を鼓舞させ、後から続けやすくしています。そんな力強さとも解釈できる「先陣を切る」の解説となります。
先陣を切るの意味とは
「先陣を切る」の意味は以下の通りとなります。
(1)物事を一番最初に行う事。
(2)最初に切り込んで他の者が後に続く事。自ら率先して始めて仲間や全体をを引っ張る。
(3)勝負事で他よりも優位な状態にある事。
”先人”は「本陣の前方に配置した陣」「一番乗り」「物事を最初にする」、”切る”は「繋がっているものを断つ」「刃物で人を傷付ける」「批判」「解雇」「区切り」「物事を終える」などで、他者を出し抜く行為や仲間を引っ張る、全体をリードする、率先するといった複数の意味合いがある言葉が「先陣を切る」です。ですから実に幅広く様々な場面で用いられ、例えば企業が画期的な新商品を発売したり、コロナ禍で最初にワクチン接種を始めるなども「先陣を切る」や「先陣を切って」という風に使われます。そして最も多いのはスポーツ全般で、五輪などの複合競技が行われる大会でいちばん最初の試合を「先陣を切って○○が始まった」や、サッカーなら試合会場に入った事も「キャプテンとして先陣を切ってピッチに入った」となります。よって、人や物など様々な事柄で最初の場合や優位な立場などで「先陣を切る」と表現されます。
先陣を切るの由来
「先陣を切る」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”先陣”は鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」(1180年)などに文言が記されています。
先陣を切るの文章・例文
例文1.上司から「先陣を切る覚悟はあるか」と要求され、不本意ながらも小声で「はい」と返事をした所為で、今はアフリカの僻地に飛ばされ現地人に囲まれ単身赴任をしている。
例文2.もしかしたら日本人とは人類の先陣を切るまったく新しい人々で、どんなに政府から搾取されても黙って従いコツコツと真面目に働くが能力は劣り、諸外国からどんどん置いてけぼりにあっても過去の栄光を肴に安い酒を飲み耐えるという昆虫のような扱いを美徳としている。
例文3.高齢化の問題がサッカーの日本代表にまで及ぼし、どんなに若手が先陣を切る頑張りを見せてもW杯予選ではベンチやスタンドが指定席で、スポンサーに協会に解説者・評論家までが高齢者ばかりなので誰も間違いを正せず、誰も責任を取らない。
例文4.海外メーカーを馬鹿にしていた日本企業がどんどん落ちぶれ、家電メーカーなどは先陣を切って余剰人員をリストラするしか策はなく、その熱量を画期的な新製品開発に役立てる事はできない。
例文5.かつてはソニーや任天堂が先陣を切るように新型ハードを発売したが、今では家電量販店で気軽に購入もできず、その品不足が計画通りなら将来的には日本がアフリカや南米などのように品不足が蔓延し常態化する国へと落ちぶれるだろう。
経済問題などで「先陣を切る」を使った例文となります。
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先陣を切るの会話例
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俺って、こう見えても小学生や中学生の頃は学級委員や生徒会長を務めていたんだよ。
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本当に? 生徒の先陣を切って色々活動していたんだ。偉いね。
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そうなんだよ。でも、今ではこんなに落ちぶれた安サラリーマンだけどな。
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お金じゃないって。それにあなたのピークは子供時代だったのよ。子供の頃は先頭を走っていたけど、気が付けば皆に追い抜かれていた。それだけよ。
現状を卑下する夫と、フォローしているようで辛口な妻の会話やり取りです。
先陣を切るの類義語
「先陣を切る」の類義語には、「先導する」「先頭を走る」「牽引する」「リードする」「火付け役」「パイオニア」などの言葉が挙げられます。
先陣を切るの対義語
「先陣を切る」の対義語には、「腰が重い」「腰が引ける」「気乗りしない」「後従」などの言葉が挙げられます。
先陣を切るまとめ
「先陣を切る」は物事を最初にやるなど仲間を引っ張る役目といった意味合いの言葉です。よって、新商品を開発する企業やスポーツの試合などで特に使われる事が多く、新しい挑戦やキャプテン・リーダー的な資質といった好意的なニュアンスで用いられる傾向があります。