八方美人(はっぽうびじん)
ネガティブな意味で使われることが多いように思われるこの八方美人という言葉。よくよく言葉の意味に注目をしてみると「誰からもよく見られようとする」という、人であればむしろ当たり前のこととも言える意味を持った言葉ではないでしょうか。また「美人」という言葉が入っている関係で、女性の言動に対して用いられる傾向が高い言葉とも言えます。そんな八方美人という言葉について今回は解説したいと思います。
八方美人の意味
八方美人とは、周りの誰からも悪い印象を持たれることのないように、要領のいい人付き合いができる人、またそうしようとする人のことを表した言葉になります。この言葉に含まれている「八方」とは八方向、すなわちありとあらゆる方向のことを指しており、美人はその言葉通り、姿や顔の造形が一般的に美しいとされる女性のことを指していることから、この言葉は多方面の人に対して好印象であろうとする人、またそうしようとする人のことを表した四字熟語となっています。
八方美人の由来
北東、南東、南西、北西の4つの隅と、東西南北の四方向を合わせたものであることから、ありとあらゆる方向を元にしてこの言葉は生まれました。この言葉が最初に使われたのは一説では1912年、森鴎外が書いた羽鳥千尋という作品の中で「八方美人主義は死んでも学ばれない」という形で登場したものとされています。
八方美人の文章・例文
例文1.八方美人をやめたい。
例文2.人一倍世間体を気にする私にとって八方美人は一つの心がけだ。
例文3.八方美人でいられる能力がある。
例文4.八方美人を意識し過ぎると恋愛はうまくいかない。
例文5.これまではずっと八方美人な生き方をしていたものだが、今日それをやめることにした。
八方美人とはある種一つの能力。人付き合いがうまくない、不器用な性格の方にはやろうと思ってもできないこととも言えます。
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八方美人の会話例
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取引先の佐藤さんってすごい八方美人な方ですよね。
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秘書検定一級持ちの秘書の方ですからね、そう見えても不思議ではないかと。
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見た目も綺麗ですしね。
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「八方に気を配れる美人」。パーフェクトヒューマンですね。
八方美人という言葉には「美人」という言葉も含まれている関係で、使う際には少し注意が必要な言葉であると言えます。
八方美人の類義語
八方美人の類義語としては、「事なかれ主義(ことなかれしゅぎ)」、「内股膏薬(うちまたごうやく)」などが挙げられます。
八方美人まとめ
当人はただ周りとの関係を拗らせないように気を使っているだけであるにも関わらず、周りから八方美人だと認識されてしまうといったようなケースもあるそうです。
というより、よほど図太い神経をお持ちの方でなければ周りの人からよりよく見られたいと思うのは当たり前のことですよね。
ただ、ぶりっ子といったような悪いと思う人も一定数確実にいるような八方美人態度は控えた方がいいかもしれませんね。