八面六臂(はちめんろっぴ)
「五臓六腑」(ごぞうろっぷ)は知っているが、「八面六臂」(はちめんろっぴ)は知らない、意味が分からないと言う人が多いと思います。確かに、あまり有名な四字熟語とは言い難いですが、才能がある人や優秀な人を喜ばせる褒め言葉の一つとして、覚えておいて損はありません。意味や由来、どのように使うのか例文や類語など含めて、丁寧に解説をさせて頂きます。
八面六臂の意味とは
「八面六臂」の”八面”は八つの方向や方面となるので、「全ての方向やあらゆる方向」という意味で、”六臂”は顔が一つで腕が六本あるとされる像「六臂如意輪観音」から文字を抜き出して成り立ったとされる言葉です。その事から「八面六臂」の意味は、
1.多方面に様々な分野で活躍する人
2.一人で何人分もの能力がある
3.多彩で才能豊かな人
この様になります。要約すると、優秀で才能豊かな人の例えとして使われる言葉です。
八面六臂の由来
「四方八方」や「四角八面」という四字熟語があるように、昔は”八面”(八方)が全ての面とされていました。また、”面”は顔、”臂”は肘や腕となり、その事から全ての面で腕(能力)がある人を「八面六臂」と言われるようになりました。仏教の「如意輪観音」は腕が六本あるので、これらが端を発した言葉であるとされますが、詳細は現在も不明です。
八面六臂の文章・例文
例文1.スポーツ万能で成績優秀、さらに学級委員も務める親友は、クラスで八面六臂の活躍をしている。
例文2.お笑い芸人から政治家に転任した某タレントは、八面六臂の人生を送っていると思える。
例文3.弟は賢く、さらに性格も良いので、将来は八面六臂な大物になりそうな予感がある!
例文4.八面六臂に憧れていたが、就職活動ですら上手くいっていない現状では到底不可能だ。
例文5.昼間は仕事をして、帰宅後はどんな料理も簡単に美味しく作れる妻は、私にとっては八面六臂と呼べるほど尊敬できる。
少々強引な例文もありますが、優秀や能力ある、尊敬できる人などに対して褒める際に使う言葉となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
八面六臂の会話例
-
私も若い時は、秀才と周囲から持ち上げられ、さらに運動万能でクイズや将棋も強いと誰にも負けな八面六臂な人物だったのに…
-
今では普通のサラリーマンですか…
-
そうなんだよな…、こうしてお酒を呑んで管を巻くぐらいしかできない…
-
そんな事はないですよね。先輩は職場で誰よりも仕事ができ、さらに教えるのも上手でこうして後輩とお酒のコミュニケーションも取ってくれる最高の人です。私の憧れで、職場に欠かせられない八面六臂な方です。
お酒の席で、上司と後輩の会話内容です。昔は優秀だったと嘆く先輩に対し、今でも八面六臂な人だと尊敬の言葉を掛けています。
八面六臂の類義語
「八面六臂」の類義語には、「三面六臂」「縦横無尽」などの言葉が挙げられます。
八面六臂まとめ
多方面で活躍する大変優秀な人が「八面六臂」となります。著名人や有名人などを称賛する際には使いやすいですが、上司や友人など身近な人に対しては”多方面”という言葉の認識に個人差があるので、ある程度の能力が高い人に対し用いられるのが一般的です。