公電(こうでん)
「公電」とは「外務省などの官公庁が外国などに出す公務としての電報」です。これだけインターネットやスマホが普及して誰とでも気軽にメッセージやり取りが可能になると「公電」と聞いてもピンと来ませんし、それどころかモールス信号的な特殊なものと感じてしまうと思います。しかし、国同士が文書でやり取りをするには情報漏えいの観点から「公電」が使われているのです。
公電の意味とは
「公電」の意味は以下の通りとなります。
(1)役所など官公庁で打つ公務の電報。
(2)官公庁の電報だが、特に外務省の機密文書や大使館などが送る公文書で用いられる表現。
「公電」とは内閣や外務省といった中央省庁や市役所や町役場などの地方官庁が公務として出す電報の事です。ですから「公の電報」を略して「公電」となります。しかし、一般的にはより重大な責務を担う者が用いる表現となるので、地方よりも中央である外務省や総務省といった中央省庁で好んで使われます。例えば各省庁間でのやり取り(メールや文書など)は「公電」ですし、外務省や大使館などが外国とやり取りをするのも「公電」(「外交公電」)となります。これらは公文書であり機密文書として厳重に管理されますが、時折流出が起こり大騒動に発展します。
公電の由来
「公電」の由来は残念ながら不明です。電報の歴史としては、アメリカで1837年にモールス信号を発明したS・F・B・モース氏による電信機が政府などで導入され広く普及が開始します。その後日本では1870年に東京と横浜間で国内電報のサービスが開始され、様々なメッセージのやり取りが可能となりました。
公電の文章・例文
例文1.アメリカ外交公電が流出した事件は世界に大きな衝撃を与えたが、あれから10年以上が経過し風化されつつある。
例文2.外務省で通信担当の責任者になると、外交公電システムの管理で毎日眩暈がしそうだ。
例文3.地方の公電と聞くと、なぜかスケールダウンして大変な気はあまりしない。
例文4.スパイ映画などでは機密扱いの公電をハッカーなどがいとも簡単に入手してしまう。
例文5.戦前戦後の日米関係を物語る機密文書の公電がいずれ日の目を見る事になれば、我々は歴史の証人になれる。
「公電」を使った例文となります。
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公電の会話例
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公電って機密扱いの重要文書とかが流出しない為の策なんでしょう?
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それはだって、担当者同士が各々でスマホでやり取りしたら困るでしょう。管理が甘いなんてものじゃないわね。
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でも公電としても、その担当者の不注意や悪意があれば簡単に洩れてしまい世界中に広まる訳じゃない。
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だからこそ、扱いは慎重なのよ。
「公電」の疑問についての会話となります。
公電の類義語
「公電」の類義語には「外電」「特電」「電報」「電信」「電文」「ファックス」「テレックス」などの言葉が挙げられます。
公電の対義語
「公電」の対義語には「ビジネス電報」「法人向け電報」「Webレタックス」「プライベート電報」などの言葉が挙げられます。
公電まとめ
役所や官庁などに勤める役人が公務として行う電報が「公電」です。よって「公電」は幅広い意味合いが含まれますが、特に外務省などが外国とやり取りするのは重要な機密扱いなので、世間的にはこれが「公電」と認知されています。要するに国家としての立場から外国と文書などを送り合うのを「公電」と扱うのが一般的です。