共鳴(きょうめい)
「共鳴」は、まるでハードボイルド作品のタイトルを想像させますが、同調や同感を意味する言葉です。他にも、振動としての物理現象とするもう一つの意味としても、理解しているのではないでしょうか? スマホやテレビに欠かせないスピーカーの原理も、「共鳴」(共振)の原理を応用したものですよね。では、そんな「共鳴」についての解説となります。
共鳴の意味とは
「共鳴」の意味は以下の通りとなります。
(1)振動数等しい発音体に対し、一つを鳴らすと他も同様に音を鳴らす現象。
(2)振動が増大する現象について、物理学では「共鳴」、電気や機械工学では「共振」となる。
(3)他人の考えや行動に、自らも同感すること。
(4)分子構造が一つの化学構造式では表せず、二つ以上の式を合わせて表すもの。
他人の考えや行動に共感や同感する「共鳴」は分かりやすいですが、それ以外は少し難解です。そもそも「共鳴」と「共振」は似た意味を持っていますが、分類するなら「共鳴」は音についての現象となります。振動する物体が等しい振動数の外圧によって、自然振動する現象が「共鳴」(共振)で、そこには音波や電気振動などが含まれます。音は空気中の振動なので、このバランスが崩れると不快な音が耳に入るようになります。例えば、マイクのスイッチを入れた直後などは耳が痛くなるようなノイズを発する事がありますが、これが一種の「共鳴現象」です。スピーカーなどは、この「共鳴」を上手に利用して低音や高音が聴きやすい、バランス良い製品を開発しています。
共鳴の由来
他人に共感する意味での「共鳴」の由来などは、残念ながら解明されていません。しかし、振動としての「共鳴現象」が先で、その後に、考えなどの心理的な同感についても含まれるようになったと推測できます。1898年にイギリスの物理学者・オリバー・ロッジ氏が、「共鳴原理」の元となる「共振回路」(同調回路)を発明し、当時は電磁波検出装置「コヒーラ検波器」として世界的に画期的なものでした。
共鳴の文章・例文
例文1.妻と私は、互いに共鳴し分かり合える関係だったが、先月離婚した。
例文2.共鳴と共依存の関係性について、というタイトルの本に心が惹かれた。
例文3.共鳴とは、振動エネルギーが別の物体にも移る現象だ。
例文4.共鳴を応用し発明されたのが、電話やテレビではないかと思っている。
例文5.催眠術なども一種の共鳴で、その声に同感するようにして術に入り込んでしまうのだ。
「共鳴」の解説、憶測も含めた例文となります。
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共鳴の会話例
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相手に同感する共鳴と、電気や振動現象の共鳴って、結局は似ていませんか?
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無意識でも思わず反応するようなところかな! 確かにそんな所があるよね。
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だって、相手に同感するのも、結局はその声や態度などを気に入ったからだよね。電気や振動も条件が一致すると、共鳴を起こす。これって、モノ通しが互いに受け入れたからですよね。
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うーん、結局は人も物も、惹かれ合う条件が重なると共鳴し合うのかもね。
なぜ人や物が「共鳴」するのか、会話を繰り広げる男女二人です。
共鳴の類義語
「共鳴」の類義語には、「共振」「意気投合」などの言葉が挙げられます。
共鳴まとめ
「共鳴」は、人間心理としては相手の気持ちを理解するや同感するという意味で、親近感や支持するという際にも使われます。一方、物理現象としての「共鳴」は「共振」と非常に似た意味で、外部振動によって別物体の振幅が増大するような現象です。振動体や電気回路、音波などもこの原理によるものです。