冀求(ききゅう)

「冀求」とは「強く願い求める事」です。強い願いや心から求める気持ちとは、軽い物事に対して使うと違感がありますよね。だから世界平や全ての人々が安心な暮らしができるようにといった思いを込めて「平を冀求する」と使ったりします。逆に言うなら、このような大きな出来事でもないと中々使い道がないので、日常的には珍しい言葉となっています。

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冀求の意味とは

「冀求」の意味は以下の通りとなります。
 (1)強く願い求める。切に望む。企求。
 (2)希う。願い求む。
 (3)「希求」とも書き同義。
”冀”は「願う」「希う(こいねがう)」、”求”は「求める」「中心に向かう」で、欲する気持ちや相手への要求である「求める」を繰り返して「強く求める」や「切に望む」や「希う」となるのが「冀求」です。通常は「冀求」とすると古語的な表現となるので「希求」とするのが一般的ですが、かつての文学作品や現代でも昔の雰囲気を醸し出す場合などに用いられます。最も有名なのは日本国憲法の第九条に「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平を誠実に希求し〜」と書かれている部分で、そこから政治等々で「平を冀求する精神」や「冀求するかの」「冀求していた」といった風に使用されます。よって、現代的には「希望」「願望」「願い」などと使う方が自然ですし馴染みもありますが、昔ながらの表現として「強い願い」とする場合は「冀求」が用いられます。

冀求の由来

「冀求」の由来として元々は中国発祥の言葉で、意味は同じく「希う」や「願い望む」として日本に入り、時代が経過するに連れて「希求」へと変化して広く定着をしていったようです。文献としては「希求」で明治時代の詩人・石川啄木の著書「葬列」、1946年に公布された「日本国憲法」などに文言が記されています。

冀求の文章・例文

例文1.この世に本気で平を冀求する人は極少数で、世間は彼らが声を大にして主張するほど空気が読めないおかしな連中と小馬鹿にするのだから、それはいつまでも平が訪れるわけがない。
例文2.憲法第九条の「国際平を誠実に冀求し」という部分は如何様にも解釈可能なのだから、実に困ったものだ。
例文3.昔の繁華街には欲望を冀求する獣のような男と女が集っていたが、現在は腑抜けのような男が金欲しさに闇バイトに応募して騙されたと知らずに犯行をして逮捕されている。
例文4.北朝鮮国民は弾道ミサイルの打ち上げ成功を冀求し、実現すると涙を流して喜んだ後に上級幹部が解散と命令を出すと、そそくさと腹ペコのまま電気も点かない自宅に帰り風呂も入らず寝床に就き、ああこの国の本当の幸せはどこにあると心の中で自問自答を繰り返す。
例文5.ボーナスが支給される度に来年もまた貰えるようにと冀求するが、たった数万の寸志をもらう為に上司や社長に媚を売る自分も嫌いだし、こんなブラックな中小企業など早くつぶれろという真逆な気持ちを常に抱えている。
「冀求」を使った例文となります。

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冀求の会話例

  • 質問者アイコン

    若い人のアップル熱はちょっと異常というか、本当に凄いよね。

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    私もアンドロイドのスマホを使っていたら、同僚から残念な人で見られているからね。スマホぐらい何でもいいじゃんって言ってやりたいわ。

  • 質問者アイコン

    他の家電や洋服には無頓着でもiPhoneを持つことだけは冀求して、最新iPhoneが無理なら型遅れの中古を購入する。おかしな人たちだよ。

  • 回答者アイコン

    お金に余裕がなくてミニマリストみたいな生活を送っている派遣社員でも、スマホだけは最新iPhoneを分割払いなのよ。それで全身真っ黒な服を着て食費も削っているのに、私がアンドロイドなだけで生活が大変なの?って訊いてきて。それはあんたでしょう!

iPhoneに執着を燃やすアップル信者についての会話です。

冀求の類義語

「冀求」の類義語には「欲求」「期待」「欲」「想い」「思い」「渇望」「切望」「熱望」「念願」「欲する」などの言葉が挙げられます。

冀求の対義語

「冀求」の対義語には「失望」「絶望」「絶念」「悲観」「自棄」「落胆」「がっかり」「失意」「幻滅」などの言葉が挙げられます。

冀求まとめ

こちらの一方的な希望や願望を強く求めるのが「冀求」です。特に平や安泰などを強く求める際に「冀求」と使われる傾向があり、また現代では「希求」とする方が一般的になります。ニュアンスとしては切実めいた強い思いで「冀求」とすれば、それだけ特別な心情があるんだと配慮する事ができます。

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