円熟味(えんじゅくみ)
「円熟味」とは、中高年に達した渋い俳優、ベテランスポーツ選手、音楽や美術などのアーティストに対して使われる事が多い褒め称える言葉です。ですから、若い人や女性に対して使うのではなく、40代やそれ以上の男性に対して使う言葉ではないでしょうか? では、「円熟味」の解説を始めさせて頂きます。
円熟味の意味とは
「円熟味」の意味は以下の通りとなります。
(1)円熟を感じさせる雰囲気や趣。
(2)十分に熟達して中身も熟成されて宿っている。
(3)味わいや深みがあると思わせる。
(4)人格、知識、技術、芸などが十分なレベルに到達し、見た人が納得し感動するほど。
”円熟”も上記のような意味となりますが、それをより強調させ趣や感情表現とする場合に”味”を語尾に付け足し「円熟味」となります。”味”は味覚を表すだけでなく、物事の趣という意味が含まれています。その事から、「円熟味」にも円熟の趣として、上記のような意味になるのです。
円熟味の由来
「円熟味」だけでなく、”円熟”の由来なども残念ながら分かっていません。中国語でも”円熟”はないので、日本発祥の言葉と推測できますが、詳細は不明です。文献としては、江戸時代に出版されたとする「新井白石書簡」(新井白石先生手簡)には、「〜皆々円熟少も存寄無〜」という一文が含まれています。
円熟味の文章・例文
例文1.野球のキャッチャーは、円熟味あるプレーが要求されるポジションだ。
例文2.円熟味ある上司になりたいと憧れを抱いていたが、早期定年退職となりそれどころではない。
例文3.30歳の女性に対し、円熟味が出てきたと嫌味を言ったら、セクハラ・パワハラと職場で大問題に発展した。
例文4.所属するフットサルチームは大学生が中心なので、25歳の私が円熟味あるプレーを要求され、少々複雑な心境だ。
例文5.円熟味とは白髪や皺の多さで決まると思っていたが、最近のアンチエイジング技術は素晴らしく、見た目若い人が急増している。
基本的なスポーツなどのベテラン選手から、少し変わったものまで、「円熟味」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
円熟味の会話例
-
”円熟味を増した”とかって、具体的には何歳ぐらいの男性に言うべきなのかな?
-
そうだねー、言われてみると結構難しいね。年齢よりも経験年数でもいいんじゃない。10年や20年の経験があり、誰もが認めるレベルなら使ってもおかしくないよね。
-
でも年数だけなら、サッカーや野球などは小学生から始めて高校生になると10年も経験している子もザラだよね。彼らに円熟味って言うかなー?
-
そう言われると難しいね。でも、そのチームで一番落ち着いたプレーをして頼りもあるなら、若くても”円熟味ある”と言っても間違ってはないよね!
「円熟味」を実年齢が若い人に使う際の微妙な点について会話をしています。
円熟味の類義語
「円熟味」の類義語には、「いぶし銀」「風格」などの言葉が挙げられます。
円熟味まとめ
「円熟味」は、円熟を感じさせる雰囲気や趣という意味をなす言葉です。”円熟”に”味”を付け足す事で、強調させるだけでなく感情が露わになったと思わせます。使い方としては、ベテランの俳優やスポーツ選手、アーティストなどの巧みなプレーなどに「円熟味がある」等とするのが一般的です。