勝絶(しょうぜつ)
「勝絶」とは「景色や味わいが優れている事」です。絶景同様に素晴らしい景色を称えて使われる言葉ですが、景色以外にも味わいや音楽用語という側面もあり、実は多様な言葉でもあります。どうしても絶景ばかりの印象が強いですが、そんな「勝絶」について解説をさせて頂きます。
勝絶の意味とは
「勝絶」の意味は以下の通りとなります。
(1)景色や味わいなどが極めて優れている。景色や味覚が優れている。
(2)景色が非常に素晴らしい。絶景を楽しめる土地。絶景。絶勝。
(3)「しょうせつ」と読む場合は日本音楽の十ニ律の一で、中国の十二律の夾鐘や洋楽のへ音の事。
「勝絶」は主に3つの意味があり、絶景・味わい・音楽の12標準楽音となります。この中で最も一般的なのは「絶景」と「味わい」に対して「勝絶」を用いるものです。景色が良い場所は「絶景」「絶勝」とも言うので、「勝絶」と「絶景」「絶勝」は同義扱いとなります。一方で、「勝絶」は「味わい」があり、また音楽用語という側面もあるので、使う際には必ずしも素晴らしい景色だけとは限りません。そこが「絶景」「絶勝」との大きな違いです。「味わい」は「料理の味」「風味」「趣」といった意味ですが、大前提である素晴らしい景色を踏まえると、季節を感じさせる味覚や景色や自然に趣が感じられる際に用いるのが正しいと解釈できます。まとめると、誰もが認める「絶景」に加えて、どこか趣や風情めいたものを漂わせる景色、そして味覚となるので美味しい料理などで「勝絶」となるのです。
勝絶の由来
「勝絶」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、室町時代の通俗辞書「易林本節用集」(1597年)に文言が記されています。
勝絶の文章・例文
例文1.山間部に一戸建てを購入したので、秋の夜長にお酒を飲みながら勝絶を楽しむのは最高の贅沢だ。
例文2.これまでキャンプは寒いし面倒と拒絶していたが、勝絶を眺める楽しみを覚えてからは病みつきで、週末がやって来るのが待ち遠しい。
例文3.週末は彼女と地方までドライブに出掛け、その土地ならではの名産物を勝絶するのがデートの定番だ。
例文4.夕方になって海辺を歩くと、夕日やサーファーの姿が相まって勝絶な光景が目の前に広がり、何とも言えないノスタルジーな感情になる。
例文5.都会の街並みが好きなので、ビル屋上から見える灯りこそ私にとっては勝絶そのものだ。
「勝絶」を美しい景色として使った例文です。
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勝絶の会話例
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懐かしいな。もう5年も経ったのか。
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そうよ。トロッコ列車で黒部峡谷に行ってから、もうそんなに時間が過ぎたの。
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俺達も年を取るわけだな。でも、もう一回行きたいな。
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そうね。あの勝絶は一度だけで満足できないわよね。何度も楽しまないと、それこそ人生を損してしまうわ。
中年夫婦が黒部川の黒部峡谷を「勝絶」として懐かしがる会話です。
勝絶の類義語
「勝絶」の類義語には、「絶景」「光景」「眺望」「美景」「壮観」などの言葉が挙げられます。
勝絶まとめ
「勝絶」は絶景などと同義で素晴らしい景色という事ですが、他にも美味しい料理などの味覚や趣、日本音楽の十ニ律の一という意味も込められています。通常は絶景を称える際に使うのが多いですが、他の使い方もあると覚えておきましょう。