医者の不養生(いしゃのふようじょう)
病気を治す医者は、普段の健康にも人一倍気を遣っているイメージがありますが、全員がそのような人とは限りません。中には、自身の健康には無頓着な医者もいるようで、そんな場合は「医者の不養生」と例えられる事があります。しかし、実際に病院に訪れた患者が、医者に対し直接そんな表現をする事はまずなく、飽く迄も何か他の事を説明などをする際に、例えとして用いられます。では、どのような場合や意味があるのか、調べてみました。
医者の不養生の意味とは
優秀な医者ほど、患者には健康に注意する様に諭すが、当の本人は酒やタバコなど不規則な生活を送り健康に無頓着な事について、「医者の不養生」(いしゃのふようじょう)という諺があります。この事から、口では偉そうな事を言ったり、他人などには喧しく正論を振りかざしながら、自分自身では行動が出来ない、言動通りに実行しない人について、「医者の不養生」と例えられます。どちらかと言うと、誹謗や陰口に近い雰囲気もある言葉です。
医者の不養生の由来
江戸時代の蘭学者であり医者でもあった平賀源内の書籍「風流志道軒伝」には、「医者の不養生、坊主の不信心」という一説があり、これが拡大解釈で世に広まったとされている。この本は日本全国を回りそこでの人々を風刺した内容で、それ故に「医者の不養生なども」共感を抱かれたとされている。
医者の不養生の文章・例文
例文1.医者の不養生、政治家や教師が犯罪を犯すのが昨今の日本で実に嘆かわしい
例文2.スポーツ選手が現役引退で太るのは、ある意味で医者の不養生と近いものがある
例文3.医者の不養生とは実に上手い諺だが、人間の本質でもあり、逆に信頼できる先生にも思える
例文4.医者の不養生通り、近所の内科病院の先生が痛風になってしまった
例文5.医者の不養生よりも、政治家の問題発言が鼻に付く
「医者の不養生」は、その意味は多くの人が理解をしていますが、実際に使うとなると結構難しいものです。立場がある人や、権威権力ある人が、陰ではまったく反対をしている際に用いられます。しかし、似たような言葉も多くなるので、やはり医者が本当に病気になった時には、自然と口に出ますが、それ以外だと難しいのも事実です。
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医者の不養生の会話例
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医者の不養生って、医者の不摂生ではないの? どちらが正解ですか?
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確かに誤解が多い言葉ですよね。正解は、医者の不養生です。
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では、医者の不摂生は間違いで誤用ですか?
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そうなります。医者が不摂生な生活をしているイメージを持ちやすくなりますが、このような諺はありません!
「医者の不養生」と「医者の不摂生」はどちらも同じ意味と誤解をしている人が多いですが、正しくは「医者の不養生」であり、「医者の不摂生」という諺はありません。
医者の不養生の類義語
「医者の不養生」の類義語には、「学者の不身持」「医者の若死に出家の地獄」などの言葉が挙げられます。
医者の不養生まとめ
患者の健康には注意を促しながら、当の医者である本人は自身の体調などには無頓着なのを「医者の不養生」と言います。諺なので、この様に口だけで実行力がない場合などに、例えとして「医者の不養生」が用いられます。立場が上な人に対して、揶揄する際に使われる事もありますが、実生活ではあまり使う頻度が少ないのも事実です。