厳か(おごそか)
みなさんは緊張した場面を体験したことが生きているうちで数えきれないほどあるのではないでしょうか。つい音を立てただけで響いてしまうような、緊張が解けない張り詰めた空気の中ではふざけることも騒ぐことももちろん許されません。そのようなシーンでふさわしい言葉が「厳か」でありますが、今回はより詳しくご紹介していきます。
厳かの意味とは
卒業式やお葬式、これらは静かにしなければならないという認識が当たり前のようにあると思いますが、例えば結婚式と異なっている部分はどこでしょうか。結婚式は嬉しい気持ちで迎えるために、披露宴で大いに盛り上がるシーンもあります。しかし、一方で卒業式やお葬式などは、とても静かに行われ、決してふざけることを許されないような状況です。空気さえも重みがあり、身だしなみや態度もいつも以上に礼儀正しくしなければなりません。その場の雰囲気や気持ちを言葉で表現する神聖なものなどに対して「厳か」を使うとわかりやすいでしょう。さらに、風格があり寄せ付けないようなものや人間に対してもよく用いられます。
厳かの由来
「厳」と見れば「厳しい」「厳格」など丸みのないような雰囲気を浮かべると思います。もともと「厳」という漢字の原字は「嚴」とされていて口が2つ、そのうち一つは怒る口、もうひとつは相手を思い激励する口と言われています。このような人間を想像すると自然と厳かな人間と照らし合わせることができます。さらに「厂」は崖の見た目から用いられており、近づきにくいという意味もあるのです。
厳かの文章・例文
例文1.厳かな雰囲気の中で卒業式は行われた
例文2.富士山から見えるご来光は厳かに見える
例文3.この儀式はとても厳かである
例文4.試験は厳かな気持ちで取り組まなければなりません
例文5.将軍は厳かなる声で問いただした
どんな雰囲気、態度なのかを示す際に用いられることが多いです。上記の例文で一瞬も不真面目にはしていられないような場面を想像できたのではないでしょうか。シーンに応じた立ち振る舞いが求められますので、厳かな雰囲気の際には大人のマナーとしての立ち振る舞いをしましょう。
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厳かの会話例
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この間神社に行ったら、結婚式を挙げていたよ。とても綺麗だった。
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神社での結婚式って、とても厳かな雰囲気じゃなかった?
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式で祝詞を言っているときには、みんな静かにしていたよ。
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そうなんだ。神社で結婚式なんて、うらやましいわね。
会社での同僚との会話です。神社に行くと、たまに行事に出くわすことがあります。基本的に厳かな雰囲気ですので、気が引き締まります。
厳かの類義語
最も類義語として挙げられるのが「粛々」で静かに懸命で真面目な態度を示します。他にも「静かな様」など張り詰めた様子を表すような言葉が類義語として近しいです。一方でもう一つの意味として風格ある寄せ付けない意味を持つ「厳か」もありますが、こちらは「威風堂々」が挙げられます。
厳かまとめ
厳かとは威厳のある真面目な人間に向けたり、真剣なシーンに使われますが、そのような雰囲気を相手に伝えたい際にはとても適切な言葉です。神聖なものに遭遇したら重々しい気持ちや、立派に映ることがあるでしょう。式典などに行く際には厳かな気持ちで臨みたいものですね。