君子は豹変す(くんしはひょうへんす)
「君子は豹変す」とは「状況に合わせるのが巧みで、過ちと気付くと態度や考えを即座に変える人」です。優秀な人とは逆に言うなら石頭であったり自分の能力高さに溺れて固執しがちですが、今回の「君子は豹変す」は、態度や考えを改めるのが早く、変化に対応する能力が高い事です。変わり身が早いという感じで、だからこそ本当の意味で賢く優れているともなります。そんな「君子は豹変す」の解説をさせて頂きます。
君子は豹変すの意味とは
「君子は豹変す」の意味は以下の通りとなります。
(1)態度や考えが急変する喩え。真の優秀な人は時代変化に応じて自らを改める。
(2)学問や人格に優れた人物は過ちに気付けば即座に改め、正しい道に戻る事。
(3)「君子豹変」も同義。
”君子”は「学識や人格に優れた人」「高位」「高官」、”豹変”は「がらりと態度を変える」「態度や性行ががらりと変わる」で、過ちを認めた優秀な人が態度を変えるのが「君子は豹変す」です。本来は”君子”という優秀な人に対する言葉なので、良い意味合いで使われていましたが、現在は優秀な人に拘らず単純に態度が豹変するという全般で用いられています。よって「君子は豹変す」を現代流に解釈するなら、自らを時代や状況に対応させアップデートするというニュアンスに近いものがあります。自分が優秀だろうと凡人だろうと驕ったり甘んじるのではなく、それが間違っていると気付けば即座に改める柔軟さこそが最も大事なのです。逆に言うなら、「君子は豹変す」になれず融通が利かない者は、優秀とは言い難いでしょう。
君子は豹変すの由来
「君子は豹変す」の由来は、古代中国の儒教経典「易経」の「革卦」にある一文「君子豹変す、小人は面を革む」です。
君子は豹変すの文章・例文
例文1.君子は豹変すというが、優秀な人はそれだけ転身が早く踏ん切りをつけるのも巧みなのだろう。
例文2.君子は豹変すに成り切れないのは、日本人らしい情を大事にする性の所以なのだ。
例文3.休み時間は誰よりも騒ぎふざけているのに、教室に教師が入り授業が始まれば一気に集中する変わり身に学級委員は「君子は豹変す」と言われている。
例文4.飲み会の席で上司が帰るまでは良き部下を演じ、先に引き上げた途端に別人のように生き生きする同僚は、君子は豹変すを地で生きる強かな奴だ。
例文5.君子は豹変すは分かっているが、あまりにも若い人が先導する現代の流行に媚びても仕方がないのではと思えてならない。
態度が急変する人などで「君子は豹変す」を使った例文です。
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君子は豹変すの会話例
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ゴ、ゴキブリだー。殺虫剤その辺りにない?
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え、殺虫剤って殺すの? せめて逃がそうよ。ゴキブリだって生きているんだし…、ね?
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でもゴキブリだよ…、分かった。逃がそう。これまでなら殺していたけど、君と出会ってから俺は地球と生き物を大事にする男に今から生まれ変わったんだ。
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これまでの常識を即座に変えられる。そんな君子は豹変すとなれるあなたが大好き。でも、ゴキブリが出るあなたの部屋には幻滅したから、もう帰るね。
ゴキブリが出現し慌てる彼氏とその彼女の会話となります。
君子は豹変すの類義語
「君子は豹変す」の類義語には、「大人は虎変す」「牛を馬に乗りかえる」「手の裏を返す」などの言葉が挙げられます。
君子は豹変すの対義語
「君子は豹変す」の対義語には、「終始一貫」「首尾一貫」「初志貫徹」などの言葉が挙げられます。
君子は豹変すまとめ
「君子は豹変す」は”君子”が学識などに優れた人なので、そこから、優秀な人は己の過ちに気付けばすぐに改めて正しい道に戻る事です。よって、態度や考えを急変するという意味で、優れた人ほど管理能力が高く、いつまでも自分の考えに固執しないで状況に対応するのが巧みなのです。