含羞(がんしゅう)
「含羞」とは「恥じらい、照れといった恥ずかしい気持ち」です。恥ずかしいとは、人前で些細な失敗などをした際に芽生える感情ですよね。その気持ちを子供なら「恥ずかしかった」と照れ臭そうにしても絵になりますが、中高年ならそんな素振りをされた方が逆に恥ずかしく、「含羞を浮かべてしまった」とした方が望ましいようです。
含羞の意味とは
「含羞」の意味は以下の通りとなります。
(1)恥ずかしい気持ち。恥じらい。はにかみ。
(2)自分の欠点などを自覚して体裁悪く感じる。
(3)照れ臭い。人目につきたくない思い。
”含”は「口の中に含む」「併せ持つ」「包み持つ」、”羞”は「恥じる」「恥じらう」「食物を備える」「ご馳走」で、「恥じらいを持つ」や「恥を持っている」となるのが「含羞」です。そこから上記のような「恥ずかしい感情」や「恥」や「はにかみ」といった意味合いになります。要するにこの言葉も近代文学作品などに多い古語的な表現で、恥といった感情を「恥ずかしい」とするよりも趣があったりして雰囲気に合っている感があります。使い方としては「含羞を浮かべる」「含羞の色」「含羞の表情」といった形が多いです。補足として、「含羞(はにか)む」と読ませる場合もあります。
含羞の由来
「含羞」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては近代日本の小説家・稲垣足穂の著書「星を造る人」などに文言が記されています。
含羞の文章・例文
例文1.含羞な思いからその場を逃げ出したくなった。
例文2.無人販売店でカメラに撮影されている事も知らずに盗みを働く者は最早含羞という感情すら持ち合わせていないのだろう。
例文3.いくら金があれば何でも可能だからと、面白くもない大物コンビに諂い愛想笑いを繰り返して稼いでいるが、なぜか時々無性に含羞な気持ちに支配され何もやる気が起きなくなる。
例文4.雪道で歩きながらスマホを見ていたら転んでしまい、周囲を気にして含羞みながら立ち上がろうとしたら、また転んでしまった。
例文5.急激な円安になりこれはチャンスだと知ったかぶりで、「このままではさらに円安で1ドル170円や180円も有り得る」と大口を叩いたら年始早々円高になってしまい、せめて含羞を見せて謝罪ぐらいすると思ったら、当人はFX取引をしないので予想した事すらほぼ忘れていたと知ってズッコケた。
「含羞」を使った例文となります。
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含羞の会話例
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政治家というのはどれだけ厚かましいのか。
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あれだけ証拠の写真があっても、すっとぼける心境が分からないわね。
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もう含羞や外聞もないんだよ。認めなければ何を暴かれても気にしないという傲慢さが顔に表れて、見てられない。
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こんな人を当選させた国民の責任も大きいのよね。
問題が噴出した某大臣への憤りを見せる会話となります。
含羞の類義語
「含羞」の類義語には「照れ」「慙愧」「羞恥」「慚愧」「不名誉」「屈辱」「赤っ恥」「恥さらし」「汚名」などの言葉が挙げられます。
含羞の対義語
「含羞」の対義語には「誉れ」「栄光」「名誉」「敬意」「名望」「尊敬」などの言葉が挙げられます。
含羞まとめ
恥ずかしい気持ちや恥そのものが「含羞」です。少々堅苦しく、恥ずかしい気持ちを表現する際に効果的な言葉であり、また通常は文語として用いるのが一般的となっています。