器用貧乏(きようびんぼう)
貧乏という言葉が後に続いている関係から、褒め言葉として用いるにはネガティブな側面が大きいため抵抗がある言葉です。なんでもそつなくこなせるがゆえ、すべてが中途半端になってしまう、特に秀でたものがないという意味を持つ四字熟語です。今回はそんな「器用貧乏」という言葉について掘り下げていきたいと思います。
器用貧乏の意味
器用という言葉には「うまくこなせる」といった意味が込められ、「貧乏」という言葉にはお金がないといった意味のものとしてもよく扱われることから「何も持っていない」という意味が込められる形でこの二つを合わせて「すべてこなせるものの、目立つものは何もない」といった意味を持つ四字熟語として成立しました。
器用貧乏の由来
この言葉が最初に用いられたのは芥川龍之介が1914年に書いた「老年」という作品の中において「器用貧乏(きようびんぼう)と、持ったが病の酒癖とで」という一文に組み込まれる形で表現されたことであるとされています。
器用貧乏の文章・例文
例文1.彼は非常に器用貧乏な人だ。
例文2.器用貧乏。際立って褒められたものが、私にはない。
例文3.彼女は10年前まで器用貧乏だったが、それ自体を自覚することで今は日本を代表する表現者となった。
例文4.器用貧乏でない私は堅実に一つのことに集中する。
例文5.器用貧乏というのも、一つの才能だ。
器用貧乏な人といっても、器用な時点でその才能を持っているものです。
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器用貧乏の会話例
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米津玄師っていうアーティスト知っていますか?彼って本当器用貧乏な方ですよね。
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彼の場合は器用貧乏というより、作ったすべてが評価されているから「貧乏」という言葉は当てはまらないですね。
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言われてみると確かにそうですね。
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すごい大げさな言い方になりますけど彼の場合は「万能」とかですかね、言い表すなら。
器用貧乏であるとしても、そのすべての水準が高い人はこの言葉が当てはまらないものになります。
器用貧乏の類義語
器用貧乏の類義語として「八方美人(はっぽうびじん)」や「ジェネラリスト(generalist)」といった言葉が挙げられます。
器用貧乏まとめ
器用貧乏であるとされる人は、なんでも器用にこなせるがゆえにそのどれもが中途半端になり、結局一芸に秀でたものがないまま終わってしまうといった特徴があるとよく言われるものとなっていますが、器用である時点で他から見れば非常に羨ましいと感じられる才能を持っているもの。
もしこの言葉を用いる形で他人から何かあまりよくないことを言われたことがある方がいらっしゃいましたら、むしろその才能は誇るべきものなので気にする必要は微塵もないと言えます。