四面楚歌(しめんそか)
年齢・性別を問わず、人間関係は社会で生きていく以上、とても大切なものです。
誰とでも仲良くできればいいのですが、現実は立場や相性などによる対立が起こることもしばしば。ぶつかり合いは必要とはいえ、対立の果てに、周りが敵対者ばかりで、孤立してしまったなんてことも。このような状況を的確に表すものとして「四面楚歌」という四文字熟語があります。四面楚歌の意味や日常での使い方、使われ方までわかりやすく解説していきます。
四面楚歌の意味とは
四面楚歌の意味とは、自分の周りに誰も味方となる者がおらず、孤立してしまっている状態のこと。この場合の孤立は、単純な孤独のことではなく、周囲は敵対者ばかりという環境です。一人っきりを表す語句の中でも絶望感が深く、より厳しい状況を表すときに使います。
類義語なども多い言葉ですが、敵対者が多いというニュアンスを含んでいますので、他の「孤立無援」などとの意味の細かなニュアンスの違いをしっかりと理解しておくといいでしょう。
四面楚歌の由来
四面楚歌の由来は、古代中国で活躍した英雄である項羽の伝承が元となっています。楚という国を治めていた項羽は、天下を争うライバル劉邦との戦いに敗北。追い詰められて、城に立て籠もるも、劉邦の軍勢に囲まれてしまいます。このとき、城の四方から自国である楚の歌が聞こえてきたそうです。項羽は、味方が劉邦の軍門に下ったことに驚き嘆き、自身の敗北を悟りました。この一連の出来事が、四面楚歌の由来となったのです。
四面楚歌の文章・例文
例文1.会議での新しい提案は、誰の賛同も得られず、四面楚歌に追い込まれた
例文2.人の悪口ばかり言うと、みんなに嫌われて四面楚歌になってしまうよ
例文3.四面楚歌だとしても、諦めずに挑み続けることが、成功への鍵だ
例文4.四面楚歌な状況を変えたいのなら、まずは信頼関係を築くべきだろう
例文5.何をするにしても、四面楚歌であっては、上手くいくはずもない
周囲の協力・賛同・理解を得られない不遇な状態を表す語句として使うと文章が引き締まります。物事の状態を端的に表すことができ、長々とした説明を省けるるため、使い勝手のいい四字熟語と言えます。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
四面楚歌の会話例
-
今日の会議では、誰一人賛同者がいなくて、孤独だったよ
-
四面楚歌ですね。
結果はどうなったんですか? -
もちろん、僕の意見は通らなかったよ。
-
出来レースというかなんというか、四面楚歌は辛いですよね。
ビジネスにおける状況下での例を挙げましたが、この言葉を表す環境は他にもたくさんあると思うので、参考にしてみてください。
四面楚歌の類義語
四面楚歌の類義語には、「孤立無援」という四文字熟語があります。語句としての意味はとても似ていて、頼る者・助けがない状態を表すものです。ただし、厳密には違いがあり、孤立無援は物事そのものの孤立性を表現する語句となります。四面楚歌とは異なり、周りの敵対者については触れていないことを忘れてはいけません。上記でも書いたように、単純に置き換えてしまうと、意味合いが変わることも有り得るので注意が必要です。
他には「八方塞がり」や「進退窮まる」「背水の陣」があげられます。
四面楚歌まとめ
四面楚歌は、周囲に敵対者が居る状況での孤立性を表現する熟語です。英雄である項羽のように、いくら優秀で強くあったとしても、周りが敵対する者ばかりではおしまい。何事も上手く回して成功に近づくには、やはり協力者があってこそ成就するものなのでしょう。自身の状況が四面楚歌とならないように、人間関係で恵まれる生き方を志したいものです。