「固唾を呑む」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説！

固唾を呑む(かたずをのむ)

｢固唾を呑む｣とは｢物事がこの後にどうなるのか、緊張して見守っている状況｣です。普段は何も気にせず自然に唾を飲んでいますが、スポーツ中継などに集中していると飲むのを忘れて口に溜まってしまう場合があります。それは普段よりも唾液の量が多くなるので｢ゴクリ｣と飲み込むようなので、最大級の緊張の表現となります。

固唾を呑むの意味とは

｢固唾を呑む｣の意味は以下の通りとなります。
　(1)今後の成り行きが気がかりで緊張する事。
　(2)これから起こる事が気になり、思わず息を凝らして口内に溜まる唾液である｢固唾｣を飲み込む事から、それぐらい緊張して見守っている状態を表す慣用句。
　(3)｢固唾を飲む｣は誤り。
”固唾”は｢緊張し口の中に溜まる唾｣、”呑む”は｢飲食物を体内へ送る｣｢吸い込む｣｢見くびる｣｢外に出さないで抑える｣で、口の中の唾を飲み込むのが｢固唾を呑む｣です。これは単に唾を飲むのではなく、緊張する瞬間などに立ち会わせて集中するあまりに溜まった唾を忘れてしまい、今飲んでいるという感じになります。ですから昔の漫画などに多い表現で、スポーツの観客などがシーンと集中して言葉は発さないが｢ゴクリ｣と唾を飲むのが、典型的な｢固唾を呑む瞬間｣です。要はそれぐらい緊張する事で、スポーツなら決勝戦や優勝決定の分かれ目、他にもドラマや映画でのクライマックスなど最も感動・興奮する場面となります。特徴としては当事者ではなく、見守る傍観者やファンといった第三者が緊張するほど集中している様であり、｢手に汗を握る｣｢ドキドキ｣｢息を殺す｣なども同じような意味合いとなります。

固唾を呑むの由来

｢固唾を呑む｣の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代中期の仏教説話集｢米沢本沙石集｣などに文言が記されています。

固唾を呑むの文章・例文

例文1.両親が離婚をする事になり子供代表として立ち会い、今から父親が署名をしようとしているが現役のアル中という事情もあって上手く右手が動かず、母親と一緒にその瞬間を固唾を呑んで見守っている。
例文2.レバレッジ取引なので金額では1日に何百万や何千万の取引をした事になるが、それでも最終的には日銭で数万ぐらいの利益か損失にしかならず、最初は固唾を呑むぐらい緊張すると思ったがパソコン画面でクリックするだけなので心が揺れ動く事はなくなった。
例文3.昔のオタクは素人アイドルの順位を競うぐらいの茶番を固唾を呑んでテレビ画面に注視し、お気に入りの順位アップやダウンでワーワー騒いでいたのだから、いくら当時の時代背景や個人の自由とはいえかなりおかしな人達だった。
例文4.愛犬を初めて海に連れて行ったらその圧倒的な世界に後ろ足はビクついて震え、暫くしたら座り込んで、あれだけ溢れていた涎も引っ込みまるで固唾を呑んで眺めているように見えた。
例文5.入学試験や入社試験の結果発表の当日は、自分よりも両親の方が固唾を呑むほど緊張しただろうが、いつも良い知らせを届けないバカ息子で申し訳ない。
｢固唾を呑む｣を使った例文となります。

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固唾を呑むの会話例

• 

  このPKを決めればインテルマイアミの勝利は決定的。あ、スタンドにはメッシファミリーの姿があるね。
• 

  本当だー。家族もこの瞬間を固唾を呑んで見守っているのよ。
• 

  俺も長年のメッシファンとして緊張しているけど、最近のメッシはPKをガンガン決めるから大丈夫だよ。
• 

  そう言えば以前はメッシ唯一の弱点がPKって言われていたのよね。でも、ワールドカップではえぐいコースに決めて、どこがPK苦手なのよって思った人が多いんじゃない。

メッシが所属するインテルマイアミの試合をネット観戦する2人の会話です。

固唾を呑むの類義語

｢固唾を呑む｣の類義語には｢息を殺す｣｢息の詰まる｣｢手に汗を握る｣｢白熱｣｢緊迫感｣｢切迫した｣などの言葉が挙げられます。

固唾を呑むの対義語

｢固唾を呑む｣の対義語には｢弛緩｣｢油断｣｢緩慢｣｢気が緩む｣｢緊張の糸が切れる｣｢気抜け｣｢締まりがなくなる｣などの言葉が挙げられます。

固唾を呑むまとめ

緊張して口に溜まった唾を飲みこむような状態が｢固唾を呑む｣です。スポーツなどで命運を決する瞬間などを表すのに使う表現で、特に観客など見守る人達の様子で｢固唾を呑んで見守る｣といった形になります。類似の表現では｢手に汗を握る｣などもあり、これらを状況に応じて使い分けています。