国債
国債とは国が発行する債権のことで、資金を調達する目的としてあるものです。ですから、日本の様な財政難で借金が莫大にあると、国債を発行しないと国の予算が通らなくなります。財務省が毎年12月、来年度の新規国債発行計画を発表し、そこで財源不足を補う国債の総額が判明します。国債額が減少すれば税収増、反対に国債額が増加すれば税収減だったと判断できます。
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国債の意味とは
「国庫債券」を略して国債で、国が投資家から資金調達する目的で発行します。基本的な考えとしては企業の株式発行と同じですが、日本のような借金大国になると意味合いが変わってしまいました。それは、国債=資金調達=借金であり、株式=資金調達のみだからです。会社の国債にあたるのが、社債になります。国債の”債”は、債務と捉えると納得できます。株式も借金返済が目的となる場合もありますが、国債を発行しないと予算が通らないのは、本来は国として倒産しているに等しいのです。日本の国債を購入するのは、4割強が中央銀行である日銀、のこり4割強が民間銀行となり、1割程度を社会保障基金や投信、海外金融機関となります。よって、個人投資家も証券会社などで国債を購入する事は可能ですが、金額ベースで全体の1%にも満たないのが実情です。
国債には、以下の種類があります。
「利付国債」「割引国債」「個人向け国債」「復興応援国債」
さらに満期の違いによって、以下のものもあります。
「超長期国債」「長期国債」「中期国債」「短期国債」
ですから、例えば個人向け国債でも長期の10年国債、中期の3年国債などその種類は豊富に揃っています。国債のメリットは、発行する国としては安定して資金調達ができ、購入側も株など他金融商品よりリスクが格段に低く高金利を得られます。国債のデメリットは、国としては発行するほど国債価値が下がり、信用度も下がる。また、不景気になる要因とされ円高や株安に繋がります。購入側は、売却するのに時間がかかる。金利もそこまで高くなく、他投資の方が有利という声もあります。また、変動金利や税金なども考慮すると、国債で儲けるのも簡単ではありません。
国債の由来
国債の歴史は、紀元前5世紀のギリシャとされ、都市国家の指導者たちは戦争の資金調達の為、各地から借り入れるのが慣例で、勝利する事で奪った財産を返済に充てていました。後に、イタリアは国家でもより資金を借りやすくするよう、「貸付証券」を始めてこれが国債の起源となります。
国債の文章・例文
例文1.日本の国債や借入金の総額は1000兆円以上となる
例文2.国債を借金とすると日本の危険度が理解できる
例文3.個人が国債の購入を検討する
例文4.日本の国債市場が低迷気味
例文5.国債を購入する投資家は存在しない
日銀が異次元の金融緩和で国債を購入し続けてきたが、最近はそのペースが落ちている兆候が見られる。仮に、購入ペースが鈍化するようになると、景気後退局面に入るとされ、国債市場だけでなく株式市場など金融市場に悪影響となるのは確実です。
国債の類義語
国債の類義語は、「債券」「社債」「赤字国債」「新規国債」などですが、これら以外にも多様な用語が揃っています。
国債まとめ
国債が借金である事は理解していたと思いますが、その中身はとても複雑なのは理解できたのではないでしょうか。日本に限りませんが、先進国で国債を発行しない国はほぼ無いのが現状です。
また、日本は借金大国ですが、反面で資金や資産を甚大に保有しているので、問題ないという意見もあります。また、国の借金は資産でもある、という理論が成り立つ面もあり、実際には雲を掴むような話になってしまいます。
国債の大量発行で日銀購入が問題ないなら、さらに規模を増やすと生活が豊かになるはずですが、現実は程遠く景気悪化もあり、政府も発行数をコントロールしているのが実情です。
また、現実としては地方経済は疲弊どころか崩壊していて、借金で国を運営する現在の形が健全でないのは明確です。そもそも論として、国債を発行できるのは日本が世界的に信用度があり、資産もあるという前提があります。しかし、国債を際限なく発行し続けると、これが何れ無くなるのは目に見えています。