夙に(つとに)
「夙に」とは「ずっと以前から・早朝といった意味の古語的表現」です。なかなか耳慣れない言葉ですが若い世代などがSNSなどで使う事も多いので、最近は割と使用される頻度が増えているように感じます。例えば昔の文学作品を紹介する時や、ネットスラングや流行語の中に敢えて「夙に」だけを入れると独特な一文になるのでそれが魅力的であり面白いようです。
夙にの意味とは
「夙に」の意味は以下の通りとなります。
(1)ずっと以前から。ずっと前から。早くから。
(2)朝早く。早朝に。
”夙”は音読みで「シュク」、訓読みで「つと」となり、「夙に」と同様に「朝」「朝早く」「以前から」「昔から」といった意味になります。ですから「夙」と「夙に」はほぼ同じ意味ですが、一例として「夙に~が気になる」「~を夙に考える」といった形で使われ、「ずっと前」や「現在の前の時点」といった解釈ができます。本来は古語的な表現として現代ではあまり用いられませんが、万葉集などに見られる有名な表現なので、若い世代などが敢えて取り入れたりする事で使う人が一定数いるのも事実です。また、漢字では読めない人も多いので平仮名で「つとに」とするケースも多いです。
夙にの由来
「夙に」は文献としては日本最古の歌集「万葉集」などに記されていた大変歴史がある言葉で、また”夙”は中世から近世にかけて主に近畿地方に住んでいた賎民の事でした。実質的には農民と差はなかったようですが、一般の民衆よりも下の身分という扱いをされ「夙の者」や「宿の者」とも呼ばれていました。
夙にの文章・例文
例文1.昔は夙に悪名を轟かせる輩がその地域に一人や二人は存在したが、現在はすっかり消え失せた。
例文2.アメリカが利上げを発表したが、こうなる事は夙に予想が出来たが政府は相変わらず無策で流れに身を任せて、状況を注視して見守るだけで一切何もしない。
例文3.カルトが日本を牛耳るのは小説や漫画ではお馴染みの物語だが、正か現実として夙に実効支配されていたとは誰も予想出来ず、それでも老人は饅頭を食い若者はスマホを弄り与党を絶賛し、なぜかコロナだけ騒ぎ立て愛国者としてマスクを合図に侵略される。
例文4.夙になったのでコーヒー1杯を飲み干し、仕事に向かった。
例文5.昨日は疲れていたので夙に目が覚め、シャワーを浴びて気分をすっきりさせ、もう一度寝床に就いた。
「夙に」を使った例文となります。
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夙にの会話例
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それってコーヒーミルだよね。ついに買ったの?
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ボーナスが入ったら我慢が出来なくて。これで夙に美味しいコーヒーを飲むわけよ。
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オシャレだねー。それでその後に…。
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あなたが朝食を作って掃除をして、私は満員電車に揺られて出勤するという現実が待っているのよね。
コーヒー好きの妻が念願のコーヒーミルを購入したという内容です。
夙にの類義語
「夙に」の類義語には、「其昔」「疾うに」「其の昔」などの言葉が挙げられます。
夙にの対義語
「夙に」の対義語には、「以往」「以降」「以来」「以後」「深夜」「夕べ」「晩」「夜」などの言葉が挙げられます。
夙にまとめ
「夙に」は以前から・ずっと前・早朝といった意味を持つ言葉です。万葉集などで用いられていた古語なので現代で使うのはやや違和感もありますが、だからこそ逆に新鮮で以前や早朝を強調する際に使われたりします。