「大男の殿」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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大男の殿(おおおとこのしんがり)

「大男の殿」とは「頭の回転が鈍く人よりも能力が劣る体が大きい男性を見下す言葉」です。正直なところ、現代の真っ当な感覚からしたら相応しい言葉とは言えませんが、残念ながら昔はこのような表現が多かったのも事実です。体が大きくてもとろくさいや役立たずとする男性を嘲る言葉として、今でも「独活の大木」などは有名ではないでしょうか。それでは「大男の殿」の解説をさせて頂きます。

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大男の殿の意味とは

「大男の殿」の意味は以下の通りとなります。
 (1)体は大きいが頭の回転も悪く役に立たない男の事。
 (2)体ばかり大きく目立つが、いつも人に後れを取る情けない男を見下す諺。
 (3)大きい体をしているだけで他人よりも劣る男を馬鹿にした言葉。
”大男”は「体の大きな男」「巨漢」、”殿”は「身分の高い人」「男性を敬う表現」「軍列の最後で敵の追撃に備える」「隊列や順番などの最後になる事」「最後尾」で、本来なら体が大きい男は合戦などでは先頭で活躍をするものですが、それが任せられない役立たずは最後尾となるので、そこから「大男の最後尾」から「大男の殿」となります。よって、上記のように「体ばかり大きい能力なし」で能無し・木偶の坊・非才・独活の大木・間抜けなどと同じような意味合いです。それぐらい相手を馬鹿にして見下した表現なので、使い方はどうしても限られてきてしまいます。また、実際には独活の大木・木偶の坊などの方が使いやすくまた有名なので、さらに厭味ったらしく見下す際に用いるとも解釈できます。

大男の殿の由来

「大男の殿」の由来は残念ながら不明ですが、”殿”は他の人よりも遅れて到着する「後駆」(しりがり、おくれがけ)が変化した言葉となります。また、文献としては”大男”は能楽論書「申楽談儀」(1430年)、”殿”は室町時代の歴史書「鎌倉大草紙」(16世紀)などに文言が記されています。

大男の殿の文章・例文

例文1.バイト先でダラダラ働いていたら、店長が急に怒り始めて大男の殿と怒鳴りつけた。
例文2.亡くなる前の祖母に、「あんたは小さい頃は可愛かったのに、大きくなったら大男の殿だねえ」と言われショックだったが、それだけ心配してくれていたのか遺産を多く残してくれたので今では感謝している。
例文3.木偶の某や大男の殿といった諺から、確かに小さい男の方があくどい政治家となり散々悪さを働くので妙に納得してしまった。
例文4.片思いの女性に告白したら、「私は大男の殿はダメなの」と拒否され、あなたも十分性格が悪くなぜこんな相手をずっと好きだったのか悔しくなった。
例文5.兄も弟の自分も世間から大男の殿に見られていると思うと情けないが、その憤りは来世にぶつけるとして取り敢えずは昼寝をするしかない。
主に大男の悔しさとして「大男の殿」を使った例文となります。

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大男の殿の会話例

  • あ、やばい、転びそうだ。あっ痛かったー。

  • ちょっと大丈夫? どうしてこんな所で転んだの?

  • 急に頭がくらっとして。そしたら倒れていたけど、でも大丈夫だよ。

  • こんな所で転ぶと、世間から大男の殿だと思われるわよ。まったく。

歩いている最中、突然転倒してしまった夫を心配する妻との会話内容です。

大男の殿の類義語

「大男の殿」の類義語には、「大男総身に知恵が回り兼ね」「大男の見掛け倒し」「大きな大根辛くなし」「独活の大木」などの言葉が挙げられます。

大男の殿の対義語

「大男の殿」の対義語には、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」「小男の総身の知恵も知れたもの」「小人に鈍なし」「小さくとも針は呑まれぬ」などの言葉が挙げられます。

大男の殿まとめ

「大男の殿」は役に立たない体が大きい男性を見下す諺です。人から後れてしまったり、或いは頭の回転が鈍いとどうしても馬鹿にされる対象ですが、それで体が大きいと余計に目立ってしまうのでしょう。独活の大木や木偶の坊など類似の言葉も多いですが、相手の体が大きくさらに変わった表現で馬鹿にしたい場合には適切な言葉となっています。

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