「奇を衒う」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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奇を衒う(きをてらう)

「奇を衒う」とは「わざと変わった発言や行動をして人の気を引く事」です。学生時代なら異性に注目されたい、友人達に一目置かれたいという願望から敢えて目立つ事をしたりしますが、大人になると普通は落ち着くものですよね。しかし、最近はSNSがあるので目立ったり注目を集めるのを良しとする考えが定着している感はあります。迷惑系ユーチューバーなどはその典型ですが、一般人だけでなく著名人でも常に逆張り意見を投稿したり、過激な意見で関心を持たれようと躍起になっています。ある種の幼さによる自己顕示欲とも受け取れますが、そんな「奇を衒う」の解説となります。

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奇を衒うの意味とは

「奇を衒う」の意味は以下の通りとなります。
(1)わざと変わった事をして人の注意を引こうとする。
(2)奇妙や風変わりな行為をわざとして、人の気を引く。
”奇”は「珍しい」「思いがけない」「変わっていて興味深い」「不思議」、”衒う”は「学識や才能などを誇り言葉や行動にちらつかす」「ひけらかす」で、さも自分は能力があるや変わっていると思わせようと発言、態度、ファッションなどを大胆にしたり奇抜にするのが「奇を衒う」です。逆に言うなら、普通や無難と見られるのが嫌なので、その裏返しとしてそんな行動に走るのです。例えば、世間の多数とは逆張りの意見をSNSに投稿する、全身赤やピンクなど派手な色や露出度高めの洋服を好む、生意気な態度を取り続けるなどは典型的ですが、これらとは反対に今度は悲劇のヒロインを気取るなど弱々しい態度を敢えてする事で注目を集める方法もあります。どちらにしろ、他人に関心を抱いてもらう為には何でもするのが「奇を衒う」で、そのやり方はSNSの影響もあって年々進化をしています。

奇を衒うの由来

「奇を衒う」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては明治時代のジャーナリスト・宮武外骨の著書「奇想凡想」(1920年)などに文言が記されています。

奇を衒うの文章・例文

例文1.若い時は目立ちたい気持ちが強く奇を衒う行為に走る人も多いが、大人になっても未だにそんな事が出来るのは本当に頭のネジが外れている。
例文2.SNSで意気揚々と論破を続ける有名人は自分の意見が正義で真実と妙に自信満々だが、一番の悪であり奇を衒う存在は実は彼の熱心な信者である。
例文3.奇を衒う人はなぜか行動力だけはあるので、才能は皆無でも運良く転がり続けて成功をする事も多々あるが、結局は過去の悪事が晴れて自滅する。
例文4.時事ネタに対して逆張り意見を主張する学者と、正論でがっちりと完全武装した弁護士の自論がネットニュースとなるが、街には両者に無関心の若者がもっと奇を衒う意見を飲み屋で言い合っている。
例文5.これだけ情報が氾濫する世の中で本当に奇を衒うなら、スマホやPCは処分して無人島で10年間暮らしたという設定をしないと歯が立たない。
逆張りばかりを主張する有名人などを皮肉って「奇を衒う」を使った例文です。

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奇を衒うの会話例

  • 部屋を整理していたら、昔の写真が出てきたよ。ほら見て、懐かしいな。

  • ちょっと、あなたの若い時酷いわねー。ファッションセンスが斬新すぎるわよ。

  • あの頃は目立つのがファッションだと誤解していたから。でも、流石に奇を衒うようなものばかりで、頭が痛くなってきた。

  • でも、そんなファッションに魅かれてあなたと付き合うようになったんだから不思議なものね。

中年夫婦が若かりし頃の写真を見て盛り上がっている会話です。

奇を衒うの類義語

「奇を衒う」の類義語には、「奇抜」「自己顕示」「目立つ」「あざとい」「売名」「エキセントリック」などの言葉が挙げられます。

奇を衒うの対義語

「奇を衒う」の対義語には、「平凡」「普通」「無難」「荒立てない」「堅実」「平平凡凡」などの言葉が挙げられます。

奇を衒うまとめ

「奇を衒う」は服装や言動や態度などをわざと変わったようにして、他人の注意や関心を引く事です。自己顕示欲が強い人ほどそんな行為に走りがちで、目立つのは良くも悪くも注目を集めるので自分の存在をアピールするには好都合なのです。有名人などがSNSなどを使って必死に逆張りを投稿するのも、自分は世間とは違う意見を持ち合わせていると必死な表れで、これだけ移り変わりが早い世の中なので「奇を衒う」ようになってしまうのです。

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