姑息(こそく)
この言葉は2013年にマイナビウーマンが発表した間違った意味で使われている言葉ランキング堂々の一位に輝いたほど、意味を間違えて使っている方が多い言葉です。
「姑息な方法」といった風に使われているような場面を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれませんが、この言葉は「その場しのぎ、一時しのぎ」という意味を持つ言葉のため、「姑息な方法」は悪い意味ではないのです。
今回はそんな「姑息」という言葉について、正しい使い方を意識しながら掘り下げてみたいと思います。
姑息の意味
姑息とは、姑息的な治療といった医療の現場でも一つの方法を表す用語としても用いられている「一時的な間に合わせ、その場逃れ」といった意味を持つ言葉になっています。
なぜ悪い意味で用いられやすいのかについては、「小癪」「狡い」「狡猾」「こそこそ」など、似た語感を持つ言葉に悪い意味を持つものが多いためです。
姑息の由来
この言葉は二つの文字で成り立っている言葉である訳ですが、この「姑」は「一時、しばらく」という意味を表し、「息」という文字は「休息」という言葉表現が元になっているのです。それを踏まえたこの二つの文字が合わさることによって「しばらくの間、息をつきながら休憩を取る」という意味が転じて姑息という言葉は「その場しのぎ」といった意味を持つ言葉となりました。
姑息の文章・例文
例文1.姑息な手段に出た。
例文2.この場を脱するため姑息な手に打ってでた。
例文3.姑息。これでなんとかやり過ごせればいいが。
例文4.隣の住人の騒音を耳栓という姑息手段でやり過ごす。
例文5.眠い。姑息にしかならないだろうがコーヒーを飲もう。
これまでの流れを踏まえると、「姑息な手段」という言葉は「一時しのぎの手」という置き換えができるものにもなります。
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姑息の会話例
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この問題、姑息にしかならないかもしれませんが、これを試してみましょう。
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期限が迫っている以上、それ以外に手はなさそうですね。
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とはいえまあこれで何事も起こらなければ一件落着とも言えるので。
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そうですね。試してみましょう!
姑息という言葉が使われる場面は主に「しょうがないから一時的にこの手を使おう」というような状況になります。
姑息の類義語
姑息の類義語としては、「間に合わせ(まにあわせ)」、「その場しのぎ(そのばしのぎ)」などが挙げられます。
姑息まとめ
姑息な手段というと、それまでの言葉のイメージのせいでまるで卑怯でずる賢い、悪い手を使おうとするかのように受け取ってしまう方も多いかもしれませんが、実はそうではなく、むしろ何かぶつかった問題や先に進めなくなった状況に対して少しでも解決し前に進むための一対策を講じてみるような場面で用いられる言葉となっています。
なので「姑息な手段を取ろう」といった発言をした方がいた時はむしろ頑張ろうとしているのだという認識を持つことが正しい認識と言えるものになります。