威風(いふう)
「威風」とは「凄まじい迫力から人を圧倒するような堂々とした態度や雰囲気」です。若くても妙に貫禄を漂わせる人っているもので、それにはその人の経験や成功体験がモノを言わせているのでしょう。相撲取りや格闘家、他にも芸能人やアーティストなども他者を圧倒するオーラのようなものがあり、人によってはそんな姿が威厳や威勢を感じられ「威風がある」と評するのです。
威風の意味とは
「威風」の意味は以下の通りとなります。
(1)大変堂々とした威厳や威勢がある事。
(2)威厳がある様子や威勢のある姿。威容。
(3)人を威圧するような迫力や雰囲気が感じられる事。
”威”は「力で人を押さえつけ恐れさせる」「人を従わせる強い勢い」「威厳」、”風”は「空気の水平方向の運動」「身に感じる人々の様子」「風習」「趣」「それとなく伝わる」で、迫力めいた目に見えない凄さや威圧的なものを感じるのが「威風」です。この言葉は現代的に例えるなら「オーラ」「カリスマ性」といったところで、要するに何とも言えない独特な雰囲気といったところではないでしょうか? 街中で有名芸能人やスポーツ選手などに遭遇すると、テレビで見ていた以上のスタイル良さや顔立ち、或いは従えるスタッフ多さなどに思わず「凄い」と心が動かされたりしますよね。それが「威風」という事になります。ですから、立派に見える様子や威厳が感じられる事を「威風」としますが、反対に落ちぶれてしまった場合は「威風が感じられない」や「威風がなくなる」ともなります。四字熟語も有名で、「威風」をさらに強調して非常に立派や堂々とした佇まいがある事を「威風堂々」や「威風凛々」とします。
威風の由来
「威風」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代の曾我兄弟の仇討ちを題材にした軍記物語「曾我物語」などに文言が記されています。
威風の文章・例文
例文1.学生時代はいつもクラスの隅にいたような大人しい者ほど、まるで積年の恨みを晴らすかのように大人になるとジム通いに明け暮れ筋トレを誰よりも励み、冬でもTシャツ1枚で街を闊歩しては威風堂々な姿を世間に晒して悦に浸るが、誰も関心がないどころか不気味に思われている事実には見向きもしない。
例文2.成功とは例えどんな物事でも人を威風凛々に変える魔力があるようだ。
例文3.校長や体育教師や保護者や生徒の前では借りてきた猫のように静かな国語や社会教師ほど、キャバクラで酒を一杯飲むと本性が露わになって態度が大きく下品な化け物になるが、当の本人は威風で威厳を醸し出しているだけと誤解するから尚更性質が悪い。
例文4.整形を隠すのではなくSNSで公表する事で信者からは威風と絶賛されるが、子供が生まれた瞬間から何とも言えない後悔が押し寄せ今度はメンタルクリニック通いと旦那を罵倒してバランスを取るようになる。
例文5.高級車が威風としているだけで運転する中年男は単なるおまけなのに、なぜ何の才能もなくただ子供騙しな動画で運良く大金を得ただけで漫画やドラマの英雄気取りな笑顔を見せられるのか理解に苦しむが、それだけ金は人を変えるようだ。
「威風」を使った例文となります。
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威風の会話例
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そろそろ課長が出張から帰って来るなー。俺、あの人苦手なんだよ。
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それなら私だって、隣の○○さんだって、全員が苦手よ。だって体育会系を無駄にアピールする威風なところが暑苦しくて。
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気合と根性論ばっかりだからな。いったい今は何時代だっていう話だよ。
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本当よね。取り合えず、静かに大人しくして今日を乗り切りましょう。
課長嫌いな共通点がある同僚同士が会話を繰り広げています。
威風の類義語
「威風」の類義語には「権威」「威容」「英姿」「雄姿」「威力」「威光」「名望」などの言葉が挙げられます。
威風の対義語
「威風」の対義語には「衰え」「弱体」「減衰」「減勢」「後退」「下落」「衰退」「衰弱」などの言葉が挙げられます。
威風まとめ
威厳や威勢といった激しい勢いを感じられるのが「威風」です。昔なら戦国武将、現代なら有名人やスポーツ選手などが持ち合わせる他の人を圧倒するオーラ的なものを「威風」として、成功者や権力者を表す際などに何かと使われる表現の一つとなっています。