「寿退社」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説！

寿退社(ことぶきたいしゃ)

｢寿退社｣とは｢結婚を機会に女性が仕事を辞める事｣です。最近は一旦仕事を辞めて時間の融通が利くパートに切り替えたり、同じ会社でも職場を変えるなど色々とあるようで、一概に完全に仕事を辞めるとも言えないようですが、それらも含めて｢寿退社｣となるようです。結婚をするとこれまでの生活パターンが変わるので、女性側が男性に合わせて仕事を辞めたり変えたりするのが多いのでしょう。それでは｢寿退社｣の解説を始めさせて頂きます。

寿退社の意味とは

｢寿退社｣の意味は以下の通りとなります。
(1)結婚の決まった女性が職場を退職して、専業主婦になる事。
(2)結婚退職する女性をお祝いや労う意味も込められた言葉。
”寿”は｢祝いの言葉｣｢めでたい｣｢命が長い｣、”退社”は｢会社を辞める｣｢仕事を終えて会社から退出する事｣で、結婚する(主に)女性社員が職場を辞めるのが｢寿退社｣です。かつての昭和時代などは女性社員は結婚を機に家庭で子育てをするのが圧倒的に多かったので、その名残として”結婚”=”出産”で、それはめでたいとして仕事を辞め家庭に入るのは仕方がないどころか良い事として”寿”を付けて｢寿退社｣と呼んでいました。現在はハラスメントや社員ではない派遣などの女性も多いので、そのような兼ね合いから大々的に職場全体で｢寿退社｣を祝う習慣は少なくなっていますが、言葉としては現在も割と多く使われていますし、何よりも職場の女性同士が憧れの意味合いも込めて使う事が多いです。要するに、仕事から解放され幸せを手に入れるのが羨ましいので、独身者にとっては｢寿退社｣に強い憧れを持つのでしょう。

寿退社の由来

｢寿退社｣の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”寿”は平安時代中期の清少納言が書いた｢枕草子｣(1001年)、”退社”は小説家･永井荷風の著書｢野心｣(1902年)などに文言が記されています。

寿退社の文章・例文

例文1.秘かに片思いをしていた同僚女性の寿退社が決まり、まったくの寝耳に水だったのでショックが大きく、今夜のやけ酒が決定した。
例文2.悪魔のようなブラック企業に勤めているので、アラブの石油王の娘と結婚が決まり寿退社をするような夢想を見てしまうが、目が覚めると現実が待っている。
例文3.女性の寿退社を大袈裟に称えるのは大抵でセクハラ上司と相場は決まっている。
例文4.姉は寿退社と嘘を吐いて職場を辞めるのが習慣になっているが、かく言う弟の俺は何も連絡をしないバックレで辞めるのが癖になっている。
例文5.寿退社をしてこれから幸せな結婚生活が始まると思った矢先に、夫がギャンブルで借金を重ねていたと知り、早くも離婚へのカウントダウンが始まった。
幸せや不幸せで｢寿退社｣を使った例文です。

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寿退社の会話例

• 

  ところで結婚後、仕事はどうする？ 続けるのか、それとも辞めるのか？
• 

  私はずっと寿退社に憧れていたの。でも、あなたの給料だけでは生活ができないでしょう。だから…。
• 

  当面は働いてくれるのか、助かるよ。じゃあ代わりに俺が寿退社をするのはどうかな？
• 

  バカな冗談を言わないでよ。あなたは後50年は働いてもらうわよ。

結婚が迫った恋人同士の会話風景です。彼女の仕事を今後はどうするのか話しています。

寿退社の類義語

｢寿退社｣の類義語には、｢退職｣｢結婚退職｣｢寿退職｣などの言葉が挙げられます。

寿退社の対義語

｢寿退社｣の対義語は厳密にはありませんが、強いて挙げるなら｢お局様｣｢定年離婚｣などになります。

寿退社まとめ

｢寿退社｣は会社などに勤めていた女性が結婚を機に仕事を辞める事です。最近は少なくなりましたが、日本では昔からこのような形で仕事を離れる女性が大変多く、結婚は女の幸せだから家庭を守る為に仕事を辞めるのが当然と認識されていました。逆に言うなら、独身女性は職場で肩身が狭い思いをしていたので、最近は｢寿退社｣を派手にしないのが主流となりつつあります。