「尊王攘夷」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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尊王攘夷(そんのうじょうい)

「尊王攘夷」とは「天皇を最高権威として称え外国勢力を排除する江戸幕府を滅亡させた政治思想」です。元々は古代中国で誕生した言葉で日本でも江戸時代以前から認知されていたようですが、庶民や武士の間では江戸時代末期の倒幕に関連して広まったようです。王様である天皇を中心に一致団結をして、外国の文化を広めて貿易をはかろうとする幕府は敵とする考えが共感され、薩摩藩や長州藩を中心に明治維新が起こったのです。

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尊王攘夷の意味とは

「尊王攘夷」の意味は以下の通りとなります。
 (1)天皇や宮廷の権威を尊重し外国勢力を見下して排撃する思想。
 (2)江戸時代末期に皇室を神聖なものと主張する「尊王論」と外国との通商を反対し鎖国を通す主張「攘夷論」が結びついた政治思想で、下級武士を中心に全国に広まった政治スローガン。
 (3)「尊皇攘夷」とも書き、「勤王攘夷」も同義。
”尊王”は「皇室を神聖なものとして尊敬する主張『尊王論』の略」、”攘夷”は「外国との通商に反対し鎖国を通す主張『攘夷論』の略」で、江戸時代末期に広まった天皇は王で外国は敵とする政治思想が「尊王攘夷」です。この思想は元々は中国発とされ、古代中国・周時代に王室を尊敬するという儒教思想の背景の元で異民族の侵犯を打ち破った事から広まり、日本にも入ってきました。日本では鎌倉時代などは天皇が実質的な王でしたが、江戸時代後期の幕末になると黒船来航など外国の力が強まりキリスト教などの政策を巡って、政府・幕府側と「尊王攘夷」を主張する側との対立が激化していきます。その流れで1858年、孝明天皇を許可を得ずに江戸幕府が「日米修好通商条約」を結んだ事に対しての憤りから、水戸藩・徳川光圀らが国学・史学・神道と儒教精神を取り入れた「水戸学」で皇室の尊厳を説いた「尊王論」と外国勢力を追い払う「攘夷論」を合わせた「尊王攘夷」の「尊王攘夷運動」を活発させ、全国の下級武士らが賛同し広まって「王政復古」と「倒幕思想」になっていきます。そして1868年に「尊王攘夷派」の中心であった薩摩藩と長州藩が倒幕に成功して、新時代の到来である「明治維新」で「明治政府」が誕生しました。この「尊王攘夷」の天皇を尊びとする「尊王」の部分は現代にも受け継がれ、現代でも天皇権威を高めた運動として評価されています。

尊王攘夷の由来

「尊王攘夷」の思想は古代中国・周時代に誕生したものです。皇帝を尊び、外国勢力を排除する事で他部族からの侵略を防ぎ王を守る「覇者の行動原理」ともなり、その思想が日本にも入り江戸時代末期に爆発的に広まりました。

尊王攘夷の文章・例文

例文1.日本の戦中のスローガンは尊王攘夷で、これは現在の北朝鮮やロシアみたいな危険思想にも似ている所があるので、声高に主張すると危険を伴う。
例文2.国民をコントロールするには自国の王様こそ唯一無二とし、他国は敵とする尊王攘夷に徹するのが良いのは分かるが、その一方では世界平や人間平等や差別撤廃を訴える矛盾が気持ち悪い。
例文3.彼は現代でも尊王攘夷論を信じる熱烈な右寄りで、日本人のプライドとして伝統や文化だけでなく家電などの日本製品を品質が良いと絶賛するが、その癖に日本経済は不安だと資産は外貨建て車は外車にスマホもiPhoneとよく分からない人だ。
例文4.江戸時代末期にSNSが普及していたら、尊王攘夷で倒幕など起きなかったか、それとももっと早く起こっていたかのどちらかだ。
例文5.天皇の権威を高める運動が尊王攘夷である。
「尊王攘夷」を使った例文となります。

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尊王攘夷の会話例

  • 江戸時代の末期に起こった運動が尊王攘夷だよね。

  • 天皇を大切にして外国は排除する極端な思想だけど、当時は下級武士たちから大絶賛だったみたい。

  • なんか当時と今の雰囲気って、似ていない?

  • 政権が倒れそうってところなら、日本は保守党の事実上の一党独裁なんだから安泰でしょう。当時と今では人々の意識も違うから、どんなに前評判が悪くても選挙では保守党が勝つのよ。

「尊王攘夷」を現代に絡めて国政選挙について会話をしています。

尊王攘夷の類義語

「尊王攘夷」の類義語には「極右」「懐古主義」「国粋主義者」「排外主義」「人種主義」「保守」「極右」「尊攘」「外国人嫌悪」「移民排斥」「ナショナリズム」「レイシスト」「レイシズム」などの言葉が挙げられます。

尊王攘夷の対義語

「尊王攘夷」の対義語には「佐幕」「開国論」「開港論」「ヒューマニスト」「民主主義」「左翼」などの言葉が挙げられます。

尊王攘夷まとめ

以上が天皇を絶対権威として外国人を排斥する過激な思想「尊王攘夷」の解説です。江戸幕府が外国に従い開国に動いた事で「尊王攘夷派」が倒幕に動き勝利を収めた事で、明治政府が誕生し天皇は国家の最高権威とする政治思想が誕生するのですが、それが最終的には第一次世界大戦へと繋がっていくのです。

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