尻を叩く(しりをたたく)
「尻を叩く」とは「古くから伝わる躾などの代表的な行為だが、現在は相手を励ましたり催促する事」です。今時「頑張れ」と言いながら相手を殴る体罰はまずありませんが、言葉としては当時の名残が色濃く残っていてそれが「尻を叩く」です。諸説ありますが、お尻は脂肪が厚いので叩いても悪影響はないと信じられ、子供への躾や折檻では当たり前のようにされてきました。時代と言えばそれまでですが、そんな「尻を叩く」の解説となります。
尻を叩くの意味とは
「尻を叩く」の意味は以下の通りとなります。
(1)やる気が出るように相手を励ましたり、或いは催促する事。
(2)相手に働きかけたり、行動するように促す。
(3)臀部に打撃を加えて音を出す行為で、かつては躾や折檻として頻繁に行われていた。
「尻を叩く」は肛門付近の肉付き良い部分を叩く行為ともなりますが、一般的にはやる気が出るように働きかけたり励ましや催促する事です。諸説ありますが、昔は子供が悪い事をすると親が頭を叩いたりお尻を叩いたり、又は押し入れや納屋(蔵・倉庫)などに閉じ込めて反省という名の虐待や折檻めいた行為が横行していました。子供同士でも遊びやふざけとして、互いにお尻を叩きあったりする行為が全国各地で普通に行われていて、後は競馬でも馬に鞭を入れるのもお尻に対してです。そんな背景から体を叩くのはどこか躊躇するが、お尻はOKやスキンシップの一環という流れがあったのは間違いありません。現に某バラエティ番組では罰ゲームとしてお尻をバットで叩く「ケツバット」が長年に渡り実施されてきたほどです。頭や体を叩くのは体罰やイジメと目くじらを立てますが、お尻を叩くのはどこか容認される空気感があり、もちろん大人が本気を出して子供の尻を叩くのはご法度ですが軽めにお尻ぺんぺん、又は強めでも脂肪が痛みを和らげるので反省を促す行為として、問題扱いがされなかったのです。そんな事から諺としても、「頭を叩く」は存在しませんが「尻を叩く」はやる気を促すとして現在も普通に使われています。しかし、尻を叩くからやる気が出るのは謎ですし、昔の習慣が言葉として残っていると理解するに留めるべきでしょう。
尻を叩くの由来
「尻を叩く」の由来は残念ながら不明ですが、欧米各国でも「スパンキング」(spanking)と呼ばれ大変歴史がある躾や体罰や性的嗜好となっています。悪い行為を働いた子供への躾、罰則としての体罰、又は大人同士の性的興奮を高める行為として古くから行われていて、日本でも同様ですが追加するなら子供同士での遊びめいた行為という点もあります。お尻は脳から離れていて脂肪も厚いので叩いても大丈夫という安易な発想から定着したようで、昭和時代は両親だけでなく教師や塾講師なども御仕置として子供にやっていましたが、平成に入る頃には自然と廃れていきました。
尻を叩くの文章・例文
例文1.愛犬は寝てばかりで番犬として役に立たないので、尻を叩いて奮起させようとしたら、その右手を思いっきり噛まれてしまった。
例文2.夫婦二人での自営業なので、昼間は妻から仕事をするように尻を叩かれ、夜になると逆に妻の尻を叩く事で円満だと思っていたら、休日になると他所の男にも叩かれて喜びを感じる浮気癖があると知って、電柱に頭をぶつけるぐらいショックを受けた。
例文3.信号が変わったのに前の車が発進をしないので、尻を叩こうとクラクションを軽く鳴らしたら、その瞬間に輩のような男が手には木刀やスパナを持って3人降りてきて、このままでは殺されると思ったら、私の後ろがパトカーだったので一命を取り留めた。
例文4.職場で「そこは違うよ」「もっと真剣に」と自分では発破をかけていたつもりだったが、部下から「尻を叩くのはもう止めて下さい」とパワハラ扱いをされ、その後は社内で大きな問題となり閑職に追い込まれてしまった。
例文5.あと一点差まで追い上げたので、残り時間は10分少々だが仲間の尻を叩いて頑張るように気合を入れたら、最後に俺のミスで追加点を奪われ高校生活最後のサッカーの試合が無残に終わった。
気合入れや叩く行為として「尻を叩く」を使った例文です。
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尻を叩くの会話例
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どれ、ちょっと成績表見せてよ。
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あなた、怒らないで上げてよ。あの子なりに頑張っているんだから。
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でもちょっと悪すぎないか? 少し尻を叩く意味でも、塾や家庭教師を付けるか?
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ダメよ。あの子はそんなお金があるなら小遣い上げろっていうから…。勉強嫌いは誰に似たのかしら。
成績が悪い子供について両親が今後について話し合っています。
尻を叩くの類義語
「尻を叩く」の類義語には、「発破をかける」「激を飛ばす」「催促」「せがむ」「横槍を入れる」などの言葉が挙げられます。
発破をかけるの対義語
「発破をかける」の対義語には、「妨げる」「罵倒」「誘惑」などの言葉が挙げられます。
尻を叩くまとめ
「尻を叩く」は「頑張れ」「あと少し」「ファイト」などの言葉を掛けるなどしてやる気が出るように励ましたりエールを送る行為であり、また早くするように催促する事でもあります。母親が幼い我が子のお尻をペンペンと躾する印象が強いですが、実は日本だけでなく世界中で昔から行われてきた躾・体罰・性的嗜好という側面もある行為で、それが現在は励ましや催促として定着しています。