「庇を貸して母屋を取られる」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)

「庇を貸して母屋を取られる」とは「手助けした相手から裏切られる喩え」です。好意から庇を貸したら家全体が奪われてしまう事から、善意を行う際にも注意すべきという教えにも受け取れます。世の中はそんなに悪い人ばかりではないですが、全員が善人でもないですよね。ですから、いつの時代でもこのような言葉が人々に響くのでしょう。それでは解説に入らせて頂きます。

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庇を貸して母屋を取られるの意味とは

「庇を貸して母屋を取られる」の意味は以下の通りとなります。
1.一部を貸したら、全てを奪い取られる事。
2.軒先を貸したら結果的に家全体が奪われた事から、転じて、恩を仇で返される。
3.好意から手助けしたら裏切られる事。
”庇”は「建物の窓や縁側などの上部にある小屋根」「帽子のつば部分」、”母屋”は「家」「敷地内の中心的な建物」「離れや物置に対して中心となる家屋」で、善意や好意から庇がある場所(玄関や縁側)だけを貸したはずが、いつの間にか家全体を奪われてしまったのが「庇を貸して母屋を取られる」です。要するに恩を仇で返す事で、信用していた相手から裏切られたり騙される事です。”仇”は「敵」「自分に害を加える」「危害」「損害」「怨み」なので、恩を与えたのに逆に危害や損害を返されたのです。さらに深掘りすると、一部を貸しただけで全部を奪われた事なので、多少の騙しなどではなく、本当の極悪人に根こそぎ取られて、大変な目に遭ったと解釈できます。

庇を貸して母屋を取られるの由来

「庇を貸して母屋を取られる」の由来は、江戸時代初期の散文文芸「仮名草子」の為愚痴物語となります。

庇を貸して母屋を取られるの文章・例文

例文1.人が良い両親は、これまで庇を貸して母屋を取られる目に何度も遭っているがまったく懲りていない仏のような夫婦だ。
例文2.庇を貸して母屋を取られないようにと、友達を作らない人生を歩んできたが、50歳を過ぎてから大変寂しい人生だったと悔やんできた。
例文3.若者世代の年金支払いはその破綻したシステムから、国家ぐるみの庇を貸して母屋を取られると言えるのではないのか。
例文4.政治家の秘書になりたいと両親に告げたら、「庇を貸して母屋を取られるだけだなのに、お前は変わっているな」と呆れられた。
例文5.散々貢いだ彼女に対して怒りが湧いたので、「お前と会ってからは貯金も減ってしまい、庇を貸して母屋を取られる気分だよ」と言ったら、「全財産は奪ってないでしょう。ケチな男」と逆ギレされてしまった。
騙し騙される人達に「庇を貸して母屋を取られる」を使った例文となります。

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庇を貸して母屋を取られるの会話例

  • 大丈夫だった?

  • うん。ギリギリ助かったよ。あと少し遅れたいたら、お父さんがお金を払っていたから、100万円を詐欺師に取られていた。

  • 高齢者を騙すなんて、本当に酷い奴らだよ。

  • 今回は何とか防いだけど、あなたと結婚前にも似たような事に遭って。その時は庇を貸して母屋を取られてしまったの…。

高齢の父親が詐欺師に騙されそうになった事について、夫婦が会話をしています。

庇を貸して母屋を取られるの類義語

「庇を貸して母屋を取られる」の類義語には、「貸家栄えて母屋倒れる」「軒を貸して母屋を取られる」「煮え湯を飲まされる」「寝首をかく」などの言葉が挙げられます。

庇を貸して母屋を取られるの対義語

「庇を貸して母屋を取られる」の対義語には、「仇を恩で報ずる」「仇を情けにひきかえる」などの言葉が挙げられます。

庇を貸して母屋を取られるまとめ

「庇を貸して母屋を取られる」は軒先を貸したら家全体が奪われた事で、こちらの好意を仇で返す際に使われる諺です。相手に騙されたり裏切られる際の喩えで、他にも「愛犬に手を噛まれる」「貸家栄えて母屋倒れる」など類語が多い言葉でもあります。

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