度々(たびたび)
「度々」とは「物事が繰り返し行われたり、又は一定期間のように短い間隔で頻繁に繰り返される事」です。例えば交通事故は珍しいものですが、全国各地には見通しが良くてもなぜか目の死角・錯覚などの現象によって幾度も事故が多い現場もあります。そんな場合に「度々交通事故が起こる不思議な現場」といったようになります。物事が何度も起こる事を強調するような「度々」の解説となります。
度々の意味とは
「度々」の意味は以下の通りとなります。
(1)何度も繰り返し行われる。いくども。しばしば。
(2)物事が短い間隔や頻繁に繰り返される。
(3)「度度」も同義。稀に「どど」とも読む。
「度々」は「何度も繰り返される事」で、その語感からも日常語として便利な事から様々なニュアンスも込めて用いられています。ある物事が何度も起こるとして、例えば「ここでは度々幽霊が出現すると噂が出る」といったようになります。この「度々」を「頻繁」「何度も」などに置き換えても意味に違いはありませんが、韻を踏むような語感が好まれて使われる頻度が多いのも事実です。また、同じ韻を踏む「しばしば」は話し言葉の口語では少しばかり硬い印象となるので、文章で使う文語とするのが多くなります。もちろん飽くまでもそのような傾向なので、文語で「度々」を使い口語で「しばしば」を使っても大きな問題ではありません。一方ではさらに砕けた表現の「ちょいちょい」「ちょこちょこ」「ちょくちょく」なども「度々」と同義ですが、これは気心が知れた友人や家族間などで使う言葉となっています。他には同じ出来事が常態化していると事細かに話す必要はないので、何かを訊かれても「度々」だけで通じる便利さもあります。
度々の由来
「度々」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代後期の説話集「今昔物語集」などに文言が記されています。
度々の文章・例文
例文1.このハラスメント防止が常識で叫ばれている令和の時代に上司の○○さんは部下への厳しい言動やセクハラまがいの行動で度々トラブルを起こすが、元マル暴という特殊な事情もあって結局は何事もなかったように有耶無耶になる。
例文2.近所のコーヒーショップには度々訪れるが、コーヒーよりもまるでステータスのように自分へ酔いしれているお客ばかりで最悪な空気感だが、自分もそんな1人だとリンゴマークを貼った偽ノートPCをカチャカチャしながら気が付いた。
例文3.新型iPhoneが発売されると、まるで100年前から度々行われてきた伝統儀式のように全身黒やモノトーンで決めたマッシュヘアのミニマリストが行列を作り、歩道を歩く人々やテレビ局のカメラに向かって俺達がトレンドを作っているという意識高い笑顔と勘違い視線を向ける奇妙な人達だ。
例文4.私は度々あなたと一緒になったので、これは偶然ではなく運命だと信じたい。
例文5.近所のコンビニには度々出向くが、その近くには警察署があり如何にも学生時代は柔道部でしたという体格の良い警官が弁当やパンを買い占めるので時間を間違うとろくな食べ物がない。
「度々」を使った例文となります。
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度々の会話例
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えー。はい、まったくその通りでございます。その件は度々申し上げておりますが、こちらの不手際が原因ですので、商品を交換させて頂きます。もちろん無料になりますので…今後ともよろしくお願い申し上げます。
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毎度の事ですが、クレーム対応は大変ですねー。
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本当だよ。俺は仕事中は朝から夕方までずっとあんな感じだよ。
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この仕事はストレスが溜まるって、職場全員がぼやいていますからねー。
お客様相談室でクレームの電話対応をしている同僚同士の会話です。
度々の類義語
「度々」の類義語には「何度も」「しょっちゅう」「幾度」「再三」「重々」「しきり」「またもや」「くれぐれ」「再度」「またまた」などの言葉が挙げられます。
度々の対義語
「度々」の対義語には「稀」「時折」「偶々」「時たま」「偶に」「時々」「間々」「珍しい」「滅多にない」「数少ない」などの言葉が挙げられます。
度々まとめ
ある物事が頻繁に何度も繰り返し行われるのが「度々」です。ですから珍しい事ではなく、これまでに何度もあるので驚きもないのを「度々」とします。非常に類語が多くそれぞれの厳密な使い方などはないようなものですが、その中でも韻を踏むような独特な語呂の良さから親しみがある言葉となっています。