強気相場(bull market)
強気相場はその言葉の通り、株価が力強く右上がりに上昇していく相場となります。しかし、日本経済ではあまり使われる事が少なく、アメリカなど世界経済全般を指す際に用いられます。
「最近の日経平均は強気相場だ」というのも間違いではなく、意味も通じますが、それよりは「アメリカの強気相場はあと数年続く」などの使われ方が多く、読んでいる方もしっくりきます。
その背景には、日経平均や個別株価、先物などもアメリカや世界経済で大きく左右されるので、迂闊に強気相場という表現を使っても実際にはどう動くか分からないからでしょう。
それより、もう少し表現を濁した「○○景気」、言葉を短くして「強気」や「弱気」などの言葉が用いられます。
強気相場の意味とは
強気相場は別名「ブルマーケット」や「ブル」と呼ばれます。ブルは雄牛の意味で、角を振り上げる事から”相場の上昇”となり、反対に弱気相場を「ベアマーケット」や「ベア」と呼びます。ベアは熊の意味で、前足を振り下ろす事から”相場の下落”となります。
好景気になると強気相場だと思われがちですが、実際には必ずしもそうではなく、景気が良くても相場に反映されない事も多々あります。また、日経平均や株価は強気相場が分かり易いですが、為替の場合は円安と円高でどちらもメリットデメリットがあるので、あまり強気相場や弱気相場を使用しませんが、それでも最近は短期的な意味として、使用される事もあります。
それと、日本人の風習的に牛や熊を投資用語に用いる事に抵抗感があり、そこがアメリカなど欧米との違いとして、あまり強気相場や弱気相場が使われない理由の一つでもあります。
投資格言では、「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感で消える」という有名なものがあります。これを踏まえると、強気相場の誕生には、相場が低調や軟調など大きく下がっている時にこそ誕生すると物語っています。もし、現在が右肩上がりで相場環境が良い時は、強気相場が弱気相場に変わる転換期なのかも知れません。
強気相場の由来
強気相場がブル、弱気相場がベアであるのは説明済みですが、その由来は諸説ありますが、その中でも信ぴょう性が高いのは、昔のアメリカ取引所のトレーダーの手サインというものです。
証券会社も昔はコンピューターなどはなく、トレーダーは売買を注文するのに頭上に手を出し、その動きがサインとなっていたそうです。相場環境が良いと、牛が角を上げる動きに見えた事から「ブルマーケット」となったそうです。
他にも投資の世界では諸説が入り乱れていますが、いつから使われ始めて、日本で広まった時期などは不明です。
強気相場の文章・例文
例文1.トランプ政権になり強気相場となっていたが、最近は弱気相場になった
例文2.強気相場で相場の地合いが良い
例文3.強気相場ほど見極めが重要になる
例文4.買い圧力が高まると強気相場に入る
例文5.弱気相場から強気相場への転換が儲けるチャンス
強気相場はあまり日本では使われないので、例文も似たような意味となります。個別銘柄や日経平均だけでなく、より全体的な視野から相場を判断する際に用いるのが適しています。
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>強気相場の会話例
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色々学んではいるんだけど、やっぱりタイミングを見極めるのが難しいな。
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そうね。弱気相場から強気相場に変わる瞬間がそのタイミングだけど、なかなか難しいわ。
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あーあ、なんかもっと詳しい人に教わってみたいな。
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私じゃ問題あるの?
相場の動きによる見極めというものはとても奥深いものなのです。
強気相場の類義語
強気相場の類義語には、「投機相場」「ボックス相場」などの言葉が挙げられます。
強気相場まとめ
相場が右肩上がりで上昇しているのが強気相場で、株式や為替などマーケット全体で用いられている金融用語です。実際には、日経平均などよりもアメリカなど海外で使われる頻度が高く、日本ではFXや仮想通貨などではあまり聞かれません。