御影(みかげ/みえい/ごえい/ぎょえい)
「御影」とは「死んだ人の写真や絵」または「霊魂や神霊」です。神様や貴人を敬う事からの「御影」ですが、普通の人にとっては「御影石」としての方が印象が強く、また若い世代ならアニメなどのキャラクターとして有名なようです。言葉とは時代に応じて変化するので致し方ありませんが、あまりにも本来の意味から乖離すると寂しいところもありますよね。
御影の意味とは
「御影」の意味は以下の通りとなります。
(1)神仏や貴人などの画像や写真や彫像などの総称。
(2)供養や葬儀での死んだ人の姿や絵や写真などの事。
(3)神や貴人を敬った言葉で霊魂や神霊の事。
(4)天皇陛下や三后や皇太子などの肖像画や写真。
(5)兵庫県神戸市六甲山麓御影地方から採掘される花崗岩(かこうがん)の石材名「御影石」の略語。
「御影」は上記のように複数の意味があり、また読み方も状況に応じて「みかげ」「ぎょえい」「ごえい」「みえい」となります。基本的には「みかげ」とするのが多くなりますが、同じような意味合いで「みえい」と読む場合もあります。まとめると以下のような形で、
・「みかげ」と読む場合は「神霊」「霊魂」「死んだ人の姿や写真など」「神戸市で採掘される御影石」
・「みえい」と読む場合は「死んだ人の姿や写真など」
・「ごえい」と読む場合は「死んだ人の姿や写真など」
・「ぎょえい」と読む場合は「天皇陛下や三后や皇太子などの写真など」
となります。要するに通常は「みかげ」となり、天皇陛下に関する場合は特別に「ぎょえい」、しかし天皇陛下以外の場合は「みえい」や「ごえい」と読んでも間違いではなく敢えて読む場合もあるといった感じです。また、神仏や亡くなった人の画像や写真や彫刻に霊魂や神霊といった幅広い解釈が可能にもなるので、状況に応じて理解をする必要があります。因みに最近は言葉の響きや神や霊に関する事が若者に受けて、漫画やアニメのキャラクター名で「御影」が使われる事も多くなっています。
御影の由来
「御影」は神仏や神霊といった意味合いから仏教用語から誕生したと推測できますが、憶測の域を出ていません。文献としては奈良時代の歴史書「日本書紀」などに文言が記されています。
御影の文章・例文
例文1.参列した葬儀で飾られている御影を見た瞬間、堪えていた涙が溢れ出てきてしまった。
例文2.天皇陛下の写真は御影をさらに敬って「御真影」(ごしんえい)と言う。
例文3.ガンで父が亡くなり、葬儀関係者から「御影の扱いの説明」を聞いていた時にやっと本当に亡くなったんだと実感し、急に何も考えられなくなった。
例文4.全国の有名な寺院を巡り、祀られている御影に手を合わせ拝むのが定年退職した現在の生き甲斐になっている。
例文5.御影石は墓石に用いられる事が多い。
「御影」を使った例文となります。
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御影の会話例
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それではちょっと写りが悪いんじゃない?
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じゃあこっちにする?
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うん。こっちの方が自然な笑顔だよ。御影にするなら良い方にしないと。
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でもあなたも変わっている人ね。いくら何でも、生前葬なんて有名人がするぐらいで普通の人はしないでしょう。それを自分の御影の写真を真剣に選んで。
生前葬を開催する夫とその妻の会話内容です。
御影の類義語
「御影」の類義語には「似顔絵」「影像」「人物像」「真影」「心霊」「魂」「精霊」などの言葉が挙げられます。
御影の対義語
「御影」を霊魂や神霊とした場合の対義語には「肉体」「五体」「肉塊」「骨身」などの言葉が挙げられます。
御影まとめ
霊魂や神霊に死んだ人の写真や肖像となるのが「御影」です。元々は仏教や冠婚葬祭に天皇陛下など伝統や格式めいたものと葬儀を感じさせる言葉ですが、一方では兵庫県神戸市の地名やアニメキャラクターとしても認知されているので、「御影」もその目的に応じて意味が変わります。