忸怩(じくじ)
近年テレビやブログ、ラジオでも様々な人が色々な理由で謝罪している場面を良く目にするようになりました。そんな時ふと、どの人の謝罪も似たり寄ったりな印象を感じたことはないでしょうか。心から謝罪の気持ちを伝えたいと思っても語彙力が低いとその時の気持ちにぴったりな言葉を持ち合わせておらず、似たり寄ったりな表現で溢れてしまうものです。今回の「忸怩」は「恥じる」という意味で良く謝罪時に使われるので今回学んでみましょう。
忸怩の意味とは
「忸怩」は両方共馴染みの薄い漢字ですが「じくじ」と読みます。「忸怩たる思い」と使われることが多いです。意味は「自分の行動や言動を心の中で非常に恥じる」ことを表しています。うっかり転んでしまって恥ずかしかった程度の恥ずかしいではなく、深刻な状況で自分のしてしまったことを何度も後悔して自分がみっともなくて仕方がないといった「恥じる」なのです。
忸怩の由来
「忸怩」の「忸」も「怩」も「恥じる」という意味を持つ漢字です。同じ意味を持つ漢字を重ねて熟語にすることによって強調し「非常に強い恥じる感情や様」を表現しています。
忸怩の文章・例文
例文1.入社時から公私ともにお世話になった部長の顔に泥を塗る結果となり忸怩たる思いにかられています。
例文2.御社の社運を掛けたプロジェクトであることを承知していたにも関わらず、期日内に納品出来ず忸怩たる思いです。
例文3.この度は私の不祥事により、支持してくださった方々を裏切ってしまい忸怩たる思いでございます。
例文4.私の不出来のせいで皆様にお手数をおかけしたことに、内心忸怩たる思いを抱いております。
例文5.力及ばず、このような最後になってしまい忸怩たるものがあります。
忸怩は未来についての話には使いません。あくまでの「自分のしてしまった言動に対して恥じ入る」という意味です。
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忸怩の会話例
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この前政治家が「マスコミに一部だけ切り取られて報道されて忸怩たる思いだ。」って言ってましたが誤用ですか?
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そうですね。「忸怩」には悔しさや憤りといった意味は含まれません。
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では「忸怩」に思い悩むというニュアンスは含まれますか?
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いいえ含まれません。また自分以外の行動を恥じる場合も使わない言葉なので注意が必要です。
「忸怩」は公人でも度々誤用することがある言葉です。自分の行動や言動に対して純粋に恥じるという意味です。ビジネスや公の場で謝罪時に使われることが多い言葉なので誤用がないようにしっかりと理解しましょう。
忸怩の類義語
類義語には「慙愧に堪えない」「自己嫌悪」「汗顔の至り」などがあります。
忸怩まとめ
深刻なケースで使われる言葉なので自分が「忸怩」という言葉を使う必要がある状況にならないのが一番ですが、万が一の場合には正しい意味を理解した上で使い、きちんと謝罪の意志を伝えましょう。