怪力乱神を語らず(かいりょくらんしんをかたらず)
「怪力乱神を語らず」とは「怪しい出来事など説明が困難なものを安易に語るべきではないという教え」です。古代中国の偉人である思想家・孔子は有名な言葉をいくつも残していますが、今回の「怪力乱神を語らず」は少々マイナーでやや難しいところもありますが、それだけに覚えると使い勝手も良い名言となっています。
この記事の目次
怪力乱神を語らずの意味とは
「怪力乱神を語らず」の意味は以下の通りとなります。
(1)怪しい事や不確かな事を口にして語ってはいけないという教え。
(2)理屈で説明できない現象や怪しい存在など道理に背く事を無暗に語るべきではないという教訓。
(3)「不語怪力乱神」「子不語怪力乱神」も同義。
”怪”は「怪異から異様な物事」、”力”は「怪力から異常な技や怪力」、”乱”は「変乱から正道に背く行い」、”神”は「鬼神から超自然的な存在」となり、異様な物事や異常な怪力など理屈では説明できない現象などを無暗に語ってはいけないという古代中国の思想家・孔子の教えが「怪力乱神を語らず」です。この諺は解釈が難しい所もありますが、孔子という人物は弟子などに質問をされても自分が正確に理解していない事は憶測や思い込みなどで語る事はなかったそうです。ですから、怪しい出来事などは尚更あれこれと語る事はなく、それが人々に余計な混乱などを与えない得策として、後世には「怪しい事や不確かな事に口出ししない」と語り継がれるようになったようです。また、孔子が偉大な人物だった事から、「君子(徳が高い人格者)ほど理屈で説明できない事は口にしない」といった解釈もされます。
怪力乱神を語らずの由来
「怪力乱神を語らず」の由来は古代中国・春秋時代の思想家・孔子に関する書物「論語」の「述而」となります。
怪力乱神を語らずの文章・例文
例文1.無駄口を叩かないと賢く思われると信じて、ずっとそのスタイルを通してきた結果が誰からも相手にされず、どうやら現代は怪力乱神を語らずとはならない時代なようだ。
例文2.怪力乱神を語らずがまかり通れば、テレビの退屈なコメンテーターや論破タレントなどは仕事を失うだろう。
例文3.近所では連続して物騒な出来事が起こっているが、怪力乱神を語らずで子供達を不安にさせる事は口にしないと妻と決めた。
例文4.色仕掛けに引っ掛かり何でも口にする秘書には、怪力乱神を語らずや他言無用と助言しても「パパは日本の最高権力者だから」と聞く耳を持たないので無意味なようだ。
例文5.UFOが出現したと騒動になるのは大抵で何もない田舎と相場が決まっていて、怪力乱神を語らずどころかあれこれと尾ひれが付いて仕舞いには宇宙人まで登場する有様だ。
「怪力乱神を語らず」を使った例文となります。
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怪力乱神を語らずの会話例
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大丈夫だって。警察がパトロールをしているから。
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あなたは男だから平気なのよ、まったく。それにしても、どうして痴漢は忘れた頃にまた出てくるのかしら。
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でも、まだ痴漢って決まった訳じゃないんだろ。後ろを歩いていた男を近所の○○さんが痴漢出現って、大騒ぎになっているけど…。怪力乱神を語らずって言うから、憶測で物事を語るのは…。
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だから、それじゃ遅いのよ。だいたい、暗くなって後ろを着いてきたら怖いでしょう。そんな怪しい男は痴漢やストーカーに決まっているじゃない。
近所の奥様や妻は、後ろを歩いているというだけで痴漢やストーカーと決め付ける会話です。
怪力乱神を語らずの類義語
「怪力乱神を語らず」の類義語は無駄に話すのを控えるとして「不言不語」「無口」「無言」「だんまり」「無駄口を叩かない」「口を慎む」「慎重な発言」などの言葉が挙げられます。
怪力乱神を語らずの対義語
「怪力乱神を語らず」の対義語は不確かな情報が飛び交うや口にするとして「噂が流れる」「憶測で物を言う」「世間で囁かれる」「風評が流れる」「噂が拡散する」「流言飛語」「口は災いの元」「舌は禍の根」などの言葉が挙げられます。
怪力乱神を語らずまとめ
怪しい出来事など理屈で説明できない事を無暗にあれこれと語るべきではないとする教えが「怪力乱神を語らず」です。自分が理解し確証があるなら語れるが、詳しく知らないのに憶測で口にすると面倒事に巻き込まれる恐れもあるので、そうならない教訓となっています。