恥の上塗り(はじのうわぬり)
「恥の上塗り」とは「恥の繰り返しであり、また不名誉の喩え」です。例えば、街中で転んでしまい起き上がろうとしたら、また転んでしまったという経験はありませんか? 或いは仕事であるミスをしたら違うミスもしていた。このようなまるで連鎖するように繰り返して失敗めいた恥ずべき行為をするのが「恥の上塗り」です。それでは解説となります。
恥の上塗りの意味とは
「恥の上塗り」の意味は以下の通りとなります。
(1)恥をかいた上にさらに恥をかく。
(2)重ねて恥をかく事から、大変な不名誉などの喩え。
(3)「恥の上書き」「恥の掻き上げ」「恥の恥」とも言い同義。
”恥”は「過ちや未熟や欠点などを恥ずかしく思う」「名誉や面目が損なわれる」、”上塗り”は「塗装で一度塗った上に仕上げとして最後にもう一度塗る」「ある事の上に更に同じ事を重ねる」で、恥ずべき行為を繰り返す失敗が「恥の上塗り」です。恥ずかしい行為をしてどうにも居た堪れないのに、さらに失敗をしてもう顔から火が出ているような状態です。また、本人が直接していなくても、例えば由緒正しい家であったらその身内が何かをしたり、或いは子供がしても両親が恥だと思えば「恥の上塗り」です。「上塗り」なので厳密には複数の恥が正しいようですが、一度の恥でも次もやったらと仮定して「恥の上塗りになる」「恥の上塗りにはなるな」「恥の上塗りはさせない」といった形もあります。
恥の上塗りの由来
「恥の上塗り」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては三味線を使った劇場音楽「浄瑠璃」の「八百屋お七」(1731年頃)などに文言が記されています。
恥の上塗りの文章・例文
例文1.大学入試で志望校に落ちたら両親から「高校入試でも落ちて大学も…、恥の上塗りよ」と厳しく叱責され、絶対に家を出てやると心に誓った。
例文2.イケメンの知人は俺の事を、恥の上塗りみたいな人生で何が楽しいのと蔑むような曇った表情をしてくるが、もう慣れっこなのでこっちは余裕の笑顔で返していると、傍から見るとどちらが人生の勝者なのか分からないと思う。
例文3.無免許運転が常態化したり、夫婦揃って選挙を買収してもなお国民の代表だと粋がり政治家でいられる厚かましい奴らには、恥の上塗りという概念は絶対に持ち合わせていない。
例文4.恥の上塗りをしたくないので、仕事は必ず何度も聞くようにしていたら、周囲から質問ばかりで物覚えが悪いと陰口を叩かれてしまった。
例文5.警察官が逮捕され報道されるのは相当悪質であり看過できない場合で、大抵は依願退職扱いとなるが不思議な事にそれでも再就職先を案内する優しさがある。それは警察という組織は面目を保つのが前提で成り立っているので、元警官が問題を起こすと恥の上塗りとなるので仕事先を斡旋する。
恥ずべき行為として「恥の上塗り」を使った例文です。
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恥の上塗りの会話例
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恥の上塗りってした事ある?
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恥ずかしい事を繰り返すんでしょう? それは何十年も生きてきたら、一度や二度あるわよ。そっちは?
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俺はねー、この前の事なんだけど。タクシーを乗っている時に友人と電話をしていて終わった後、お姉言葉で会話していたと気付いて運転手さんに「煩くてゴメンね、お父さん」と言った事かな。その後は互いにハッとなり、お姉言葉は単なる冗談でお父さんも言い間違えと訂正したけど、絶対に怪しい男だと思っていると思うよ。
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それは恥の上塗りどころか、ヤバイよね。
知人男女による「恥の上塗り」についての会話となります。
恥の上塗りの類義語
「恥の上塗り」の類義語には、「弱り目にたたり目」「あり地獄」「一難去ってまた一難」「顔から火が出る」「恥をさらす」などの言葉が挙げられます。
恥の上塗りまとめ
「恥の上塗り」は一度恥をかいたのにさらに繰り返して恥をかく事です。よって、恥の恥であり繰り返しの失敗となります。恥に関する言葉は意外に多くありますが、「恥の上塗り」は恥を何度もしてしまった時に相応しい言葉となっています。また、失敗を繰り返すので不名誉という喩えでも使われます。