恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
恩には恩で返す。これが人の世の理です。しかし、時に恩を仇で返す人も。
日本では義理人情・人からしてもらったことを覚えて、感謝を返すことはとても大事にされます。間違っても恩を仇で返す様なことをしてはいけません。この記事では「恩を仇で返す」ということわざについて、例文や類義語を見ていきます。
恩を仇で返すの意味とは
恩を仇で返すとは、「人からもらった善意に対して感謝せず、むしろ悪意をもって答えること」という意味です。
人から良いことをしてもらって、うれしくない人はいません。普通だったら恩義を感じ、いつか返してあげたいと思うものです。
しかし、その恩を恩とも思わず、かえって損害を与えたり、むしろもっとむしり取ろうとするような行為に至るならば、それは「恩を仇で返す」という言葉で表現されます。
物が豊かになって生活に困ることが少なくなってきた現代ではこの言葉はあまりピンと来ないかもしれませんが、昔は助け合わなければ生きていけない世の中でした。恩に恩を返さず、むしろ「恩を仇で返す」ことは、本当に人間関係を決定的に壊してしまう忌み嫌われる行為だったのです。
恩を仇で返すの由来
このことわざの由来ですが、詳しくはわかりません。この行為自体は昔からあったことです。特に、国家や部族間の戦争が頻繁だった時はよりこの言葉も身近だったでしょう。
恩を仇で返すの文章・例文
例文1.この前英語のノートを見せてやったのに、今回地理のノートを見せてくれと言ったら断られた。恩を仇で返すとはこのことだ
例文2.良かれと思って慰めの言葉をかけたら、余計なお世話だと怒鳴られた。恩を仇で返されたも同然だ
例文3.あんなに親御さんに大切にされているのに、親に文句ばかり言っている。恩を仇で返す性格なんだな
例文4.援助してもらった過去を忘れて、彼に不利益なことをしそうになっていた。危うく恩を仇で返すところだった
例文5.恩を仇で返されたのに、決して人を恨まない。よくできた人だ
上記のように使います。積極的に仇で返さずとも、恩を忘れてしまった場合には、正確には「恩を仇で返す」とは言いません。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
恩を仇で返すの会話例
-
この前、ワタルに会ったんだ。あんなに小さかったのにさ、もう高校生で背も高くなってたよ。
-
そうなんだ。久々に話をしたの?
-
ああ、したよ。だが、生意気になっててさ。あんなに小学生のころに一緒に遊んでやったのに、全部忘れて俺のことをからかってきやがったよ。
-
恩を仇で返す・・・とまではいわないわね。仲が良かったからこそ、信頼してくれてる証なんじゃない?
上記では、久々に会った子供について話しています。これくらいなら、かわいいものですね。
恩を仇で返すの類義語
恩を仇で返すの類義語を見てみましょう。「飼い犬に手を噛まれる」も同じ意味です。目をかけてやった者に、手痛い仕打ちを受ける意味を持ちます。また、より直接的に「恩知らず」という言葉も使うことができます。
恩を仇で返すまとめ
ここまで、恩を仇で返すということわざについて見てきました。このようなことをして、人間関係を壊さないように気を付けたいものです。