悠久(ゆうきゅう)
「悠久」とは「果てしなく長く続く、無限のように延々に続くなど永遠や永久の事」です。「若い時の時間はあっという間だから大事にするべき」という教えがありますが、これは個人としては時間は有限ですが、時間そのものは無限で永遠に続いていきますよね。ですから自分が亡くなろうが地球が存在しなくなっても、概念としての時間が永遠に続く無限状態なのは否定できず、そんな途方もなく延々に続くのが「悠久」となります。
悠久の意味とは
「悠久」の意味は以下の通りとなります。
(1)果てしなく長く続く。長く久しい。
(2)遠い過去から遠い未来まで果てしなく続く。永遠。
”悠”は「時間や空間がどこまでも続く」「遥か彼方」「気分がゆったりしている」、”久”は「ひさしい」「長い間」「長い時間が経過」で、時間や空間がどこまでも長く続くのが「悠久」です。いつまでも終わりがなく限りなく続くので永遠や永久と同じ意味ですが、一般的には少々難しいので古語的な表現となっています。永遠や永久を使うべきところでも、「悠久」とすると重みを感じたり、人によっては永遠や永久にはない真意を汲み取ったりします。要は本来はどちらでも良く、深い意味などはなくても、仮に全体が堅苦しい文章なら永遠よりも「悠久」とした方が体裁が良くなったりするのです。それでも微妙な違いは確かにあり、例えば「歯」なら「永久歯」、愛する人には「永遠の愛」や「永遠の恋人」、海や山などの景色なら「悠久な自然美」となります。これを「悠久歯」や「悠久の恋人」とすると違和感だけでなく、普通の感覚なら誤りをどうしても覚えてしまいます。
悠久の由来
「悠久」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては南北朝時代の軍記物語「太平記」などに文言が記されています。
悠久の文章・例文
例文1.我々は北の脅威と扱われる事に大変遺憾で、今後も応じなければ資本主義に毒されアメリカの犬となった日本と悠久の交流並びに両国の発展を築くのは極めて困難になるだろう。
例文2.久しぶりに地元に帰ってきて実家近くの海岸を眺めていたら、この砂浜や海は決して悠久ではなく環境問題に配慮しなければいずれ消えてしまうと感じ取った。
例文3.スーパーで買った安酒も江戸切子のグラスに注ぎ入れ、幸せなんだとマインドコンロトールをして悠久の時を噛みしめながら飲むと格別だ。
例文4.命は有限で束の間みたいなのに、増税は悠久的で自分も子供も孫世代も苦しんでいくと思うと是が非でも子供や孫には公務員になってバラ色の人生を悠々と生きてもらいたい。
例文5.神社仏閣をめぐると悠久の歳月を感じ取り、ちょっとだけ先人達の気持ちが理解できた気がする。
「悠久」を使った例文となります。
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悠久の会話例
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あーもう、この階段の長さ。
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日頃運動をしないから、偶にちょっと歩くと汗だくじゃない。
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自分だってゼーゼー言って、昨日の酒が抜けてないって。でも、時々は由緒あるお寺を訪れて悠久な歴史や歳月を感じるのも…。
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悪くないわよね。ほら、もう少しで本殿と絶景が待っているよ。
休日に有名な神社仏閣を訪れ、長い階段を上っている最中の会話内容です。
悠久の類義語
「悠久」の類義語には「永却」「久遠」「恒久」「無窮」などの言葉が挙げられます。
悠久の対義語
「悠久」の対義語には「一瞬」「少し」「刹那」「咄嗟」「寸陰」「瞬間」「瞬時」「間髪」「あっという間」「瞬く間」などの言葉が挙げられます。
悠久まとめ
永遠のように果てしなく長く続くのが「悠久」です。よって、永遠や永久と同義扱いの言い換えにすぎませんが、「悠久」とすることでまた違った雰囲気が感じられるようになります。個人的には国際・政治などに関する話題の場合は「悠久」が割と多く使われるような気がします。