想起(そうき)
｢想起｣とは｢昔の出来事を後から思い返す事｣です。思い出とは良い事ばかりではないので、悪い事なら無理に思い返さずに封じ込めていた方が幸せだったりします。しかし、人間とは非常に都合が良い生き物なので、記憶を勘違いしてそのまま覚えている事も多々あるようです。そんな良くも悪くも後から記憶を手繰り、思い起こすのが｢想起｣となります。
想起の意味とは
｢想起｣の意味は以下の通りとなります。
(1)以前にあった事を後から思い返す事。過去の経験した物事を思い起こす事。
(2)意識的に過去の出来事に向き合い思い返そうと努力する事の心理学的表現。
”想”は｢心に思い浮かべる｣｢思う｣｢考え｣、”起”は｢起きる｣｢立つ｣｢始める｣で、過去の出来事を思い起こそうとするのが｢想起｣です。これは単純に昔の事を思い出すだけでなく、忘れてしまった記憶や誤解したり勘違いから間違って覚えている記憶を思い返す事で、人によっては忘れていた方が幸せな記憶を今一度思い返すので苦しくなったりする事もあるので、心理学用語という側面もあるようです。しかし、通常は例えば｢甘酸っぱい学生時代の青春が想起してきた｣といった風に使い、それなら素直に｢思う｣や｢思い出す｣の方が分かりやすくなるので少々堅苦しく畏まった表現とも受け取れます。よって、大人になってから何かを思い返す時に使われがちな表現が｢想起｣ではないでしょうか。
想起の由来
｢想起｣の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代後期の庶民向けの風俗書｢江戸繁昌記｣などに文言が記されています。
想起の文章・例文
例文1.彼はスナックで飲んだくれては学生時代を想起して落ち込み、ママに慰められ金をボッタクられるまでが週末ルーティンだと自虐した。
例文2.懐かしい出来事を想起してもろくな事がないと、プーチンやその一味は感じているだろう。
例文3.一日一日を必死に生きていれば想起する暇などない。
例文4.意識して昔を思い出さないようにしてきたが、電車の席に座ったり街角を歩いている時などにふと想起させられ、物事の手がつかなくなるから困ったものだ。
例文5.あの小説家の作品は読者を意図的に想起させようとする狙いが見え見えで、熱心な信者以外はとてもじゃないが二番煎じを延々と繰り返す作風に読む気が起きず全く受け付けない。
｢想起｣を使った例文となります。
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想起の会話例
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遂にあの芸能事務所のタブーとされる問題が明るみになってきたね。
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私はあの事務所のアイドルグループのファンだからショックー。
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何に対してショックなの？ 応援しているアイドルが被害者だから？ それとも被害者が声を上げて好きなアイドルに迷惑をかけているから？ どちらにしろ被害者は事務所に所属していた時代を想起すると苦しくなるだろうね。
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難しい事は分からないけど、歌って踊って映画やドラマで主役を演じる煌びやかなスターだからファンをしているの。
世間を騒がすアイドル事務所の闇について会話を繰り広げています。
想起の類義語
｢想起｣の類義語には｢思う｣｢思い浮かべる｣｢思い返す｣｢追想｣｢回想｣｢回顧｣などの言葉が挙げられます。
想起の対義語
｢想起｣の対義語には｢忘れる｣｢忘却｣｢失念｣｢忘失｣｢記憶がない｣｢記憶が飛ぶ｣などの言葉が挙げられます。
想起まとめ
過去の出来事や記憶を思い返すのが｢想起｣です。忘れていたり、勘違いなどを改めて思い返す行為となり、場合によっては苦しい記憶が蘇る事もあるので、そんな状況も覚悟して記憶を思い返す行為を｢想起｣とします。
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