愚を守る(ぐをまもる)
「愚を守る」は読む事は出来ても、理解していないと意味は悩んでしまいますよね。何より、簡単な言葉の組み合わせですが実生活では滅多に使わないので、盲点のように感じてしまいます。そこで、故事や諺の中でも覚えておくと便利な「愚を守る」について解説となります。
愚を守るの意味とは
「愚を守る」の意味は以下の通りとなります。
(1)(敢えて)才知を隠して愚か者のふりをする。
(2)知性があるとは思わせない態度を示す、示し続ける。
(3)愚か者だと思わせる。バカな振る舞いをして安心させる。
「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、敢えて能力が有る様に見せない為に愚か者を演じるのが「愚を守る」です。世の中や社会をうまく生きるコツみたいなもので、愚か者を演じると敵が増えたり相手に嫌われる事もないので、賢いという教えです。いくら優秀でも、それで相手に嫌われたり敵になってしまっては損でしかありません。特に日本のような村社会で、「出る杭は打たれる」風潮なら、この教えを実践するのは実に現代的です。
愚を守るの由来
「愚を守る」は、古代中国の儒学者・荀子の「宥坐」による、孔子の教えを説いた漢詩が由来です。そこには、「知性を表に出すと身を滅ぼしかねない。愚かを装った方が賢い」と生きるコツを教えています。その後は、吉田兼好の「徒然草」(1319年頃)にも「愚を守る」を使った一文が残されています。
愚を守るの文章・例文
例文1.新しい職場では、最初は様子見もあるので愚を守るように行動した方が良い。
例文2.愚を守るを学生や会社生活できっちり守ってきたので、一度も苛められたり嫌われた事がない。
例文3.お酒の席などは特に、愚を守るを徹底した方がいいと経験上学んだ。
例文4.愚を守るをお互いに実践できれば離婚しなかったのにと、老いた父親が悲しそうに発した。
例文5.おバカなタレントをテレビで観ていると、愚を守るを徹底的に実践する賢い人にしか見えない。
「愚を守る」を使った典型的な例文です。
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愚を守るの会話例
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来週から新しい職場で働くから、すごく不安なんだけど。
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どうしたの、男なんだからしっかりしな。でも、最初は愚を守るを心掛ければ大丈夫だよ!
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愚を守るだね。よし、それを実践するよ。ところで、どんな意味なの?
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力が抜けちゃうな。これは、知識や能力を自慢するよりも愚か者のふりをする方が人生が上手くいくという教えだよ。
新しい職場で働く事になった男性に、「最初は愚を守るを心掛けるように」と女性がアドバイスをしています。
愚を守るの類義語
「愚を守る」の類義語には、「能ある鷹は爪を隠す」「実るほど頭の下がる稲穂かな」などの言葉が挙げられます。
愚を守るまとめ
「愚を守る」は、賢く生きるなら愚か者を演じるべきと説いています。優秀で知恵があるのを披露するより、愚か者を演じる方が敵も作らずに上手に人付き合いや社会生活を送れると解釈できます。