憂鬱(ゆううつ)
「憂鬱」とは、気持ちが落ち込んでいたり塞ぎ込んでいる状態の事です。しかし、近年はメンタルヘルスの観点から、うつ病など心の病気による症状の一種という捉え方をされる事も多くなっています。単純に元気がないや心の浮き沈みが激しい人では片付けられず、「憂鬱」になるにはそれなりの大きな問題が潜んでいるからと理解されています。ですから、大企業などは社員の精神ケアとしてメンタルヘルス対策に本腰を入れ、国としても心の病が自殺に繋がったり健康にも悪影響なので総合的な健康対策に積極的になっています。そんな現代ならではの病気や症状の「憂鬱」について解説をさせて頂きます。
憂鬱の意味とは
「憂鬱」の意味は以下の通りとなります。
(1)気持ちが塞ぎ込み晴れない。感情が落ち込みやすく気が晴れる事が少ない。
(2)心配事から心が塞ぎ込んでいる。
(3)うつ病で起こる心の症状で、希望がないや悲しい気持ちになるなど抗うつ気分に陥る事。
(4)心の病気の症状で、気持ちが沈むだけでなく体調面でも調子が悪くなる。
”憂”は「心配する」「辛い」「物思いに沈む」、”鬱”は「気持ちがふさぐ」「気が晴れない」となり、気持ちや感情が晴れない状態の事です。従って、かつては単純に元気がないや調子が悪いとして、気持ちの問題として片付けていたのですが、現在はメンタルヘルスとしても「憂鬱」を扱うようになっています。仕事や学校などの人付き合いや精神的なストレスは、時として怪我や病気よりも体に悪影響を及ぼします。それが「憂鬱」な症状となって、心理や体調に悪い変化を表すのです。最も多いのは、気持ちが塞ぎ込んだり元気が無くなる事ですが、これがエスカレートすると、実際に体調が悪くなったり食欲不振や不眠、頭痛、倦怠感、緊張等の症状が出てきてしまいます。これらに明確な特効薬がなく、患者それぞれの精神ケアが大事となるので、その為には根本である「憂鬱」を改善させるしか方法はないのです。自ら落ち込む「憂鬱」もあれば、負の感情が爆発して他人を暴力などで傷付ける事もあれば、また、子供への虐待や犯罪行為などの要因となる場合もあります。何よりも「憂鬱」で懸念されるのは、一概に結び付けられませんが、日本は自殺大国であり特に若い世代の自殺が多いのは、「憂鬱」に苦しめられている人がそれだけ多いからと推測されています。そのサポートとして、最近は大企業や国としても積極的にメンタルケアに本腰を入れ、サポート体制を図っています。一方、根本的には苛酷な職場環境やストレス溜まる人間関係、閉鎖的な環境、将来性や未来がない社会などの諸問題を改善・解決できない限り、「憂鬱」で苦しむ人々が大幅に減る事は難しいでしょう。
憂鬱の由来
「憂鬱」の由来は、中国春秋時代の法家や道家・雑家の書物「管子」、又は前漢時代の書物「韓詩外伝」となります。
憂鬱の文章・例文
例文1.憂鬱な気分を吹き飛ばそうと、真夜中のドライブに出掛けたら交通事故に遭ってしまって、さらに憂鬱になった。
例文2.仕事のストレスで、日曜日の夕方から一気に憂鬱な感情が押し寄せ、あくる日はブルーマンデーで朝起きるのが辛くて仕方がない。
例文3.これまで毎日が憂鬱だったが、子犬を飼うようになってから何かが劇的に改善されて、友人からも心配される事がなくなった。
例文4.憂鬱な時には、ドローンミュージックが心の拠り所になる。
例文5.自分では普通のつもりだが、妻や上司からもメンタルクリニックを受診する様に勧められ、そこで始めて憂鬱で心の病気だった自覚した。
「憂鬱」を日常の様々なケースに使った例文です。
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憂鬱の会話例
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誕生日おめでとう!
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ありがとう…。両親も亡くなり、子供もいない私達にとって、祝ってくれるのはあなただけ。でも、これでまた一才年を重ねて、死への階段を昇っているのね。
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ちょっと、暗いよ。もっと明るく。せっかくの誕生日だよ。
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ごめんなさい。私が憂鬱な性格だから、あなたにも不快な思いをさせて
。あなたも、こんな私なんて早く消えてなくなればいいと思っているんでしょう! 結婚をして失敗だったと…。
夫が妻の誕生日を祝おうとしたが、「憂鬱気味」な性格に手を焼く会話となっています。
憂鬱の類義語
「憂鬱」の類義語には、「憂愁」「沈鬱」「鬱」「メランコリー」などの言葉が挙げられます。
憂鬱まとめ
「憂鬱」は気分が晴れないや塞ぎ込んでいるという意味で、単純に元気がないとも言えますが、昨今はメンタル的な問題による心の病気やその一歩手前という認識がされています。責任ある仕事からのプレッシャー、家庭の事情など人それぞれ問題は山積みなので、そのストレスが溜まって発散が難しくなると「憂鬱」では片付けられない問題へと発展する恐れがあります。気分が落ち込むなど「憂鬱」なサインが出たら、休息を取るなり専門クリニックに通ってケアするのが大切になってきます。